毒毒な世界
仁崎幸一郎
第1話 はじまり
僕は、父、母、姉と弟と5人で暮らしていて、父が狩りをしてモンスターの肉を持ち帰り、多く持ち帰ってきたときは売却して野菜や果物、生活に必要なものを購入していた。
母と姉は農場の手伝いをして、賃金をもらい生活していた。
僕は子供ながらにうちは裕福ではないことに気づいていた。綺麗な洋服持つ同年代の友達を羨むことはなかったが、父や母のきている服が古く傷んでいることは恥ずかしかった。それでも、いつも笑顔の父、いつも優しい母に劣等感など感じることなく、幸せな日々を送っていた。
僕は10歳になり、魔法も上達し狩の手伝いをするようになった。狩に参加するのに必要な魔法があることを初めて知った。それは、空気中に含まれる毒を回避する魔法だった。今まで、女性達が狩に参加していない理由がようやくわかった。
そして、僕が13歳になり一人でモンスターの肉を売却しに行ったとき、たまたま友達の親と一緒になった。その時、うちが裕福でない理由がわかった。あきらかに僕が持ち込んだ肉の方が大きく重さもあり状態も良かったのに、売却した金額は半額以下だった。
理由はわからないが、うちは
差別され
虐げられている家族なんだと初めて知った。
毒毒な世界 仁崎幸一郎 @nisaki
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