キーワードに「ビートニク」とあり、ポストビートニク世代の私としては是が非でもと、拝読しました。
何年か前に公開された映画『オンザロード』由来の強烈な先入観にとらわれながら読んだためか小説のテーマ等をいくぶん曲解しているかもしれません。ご容赦下さい。
例えば、サル・パラダイス(ジャック・ケルアックがモデル)を演じたサム・ライリーにレナルトの姿を重ねてしまったりとか、モリアーティ(ニール・キャサディがモデル)≒フリオかなと推ってしまったりとか、『オンザロード』のキャッチコピー「人生の全ては路上にある」が頭の中で響きまくっていたりとか…
物語の全てのシーンが次々とフラッシュバックして、きっと今晩は眠れないだろうと心配になるくらい印象深い物語でした。
登場人物たちも作者も、そして読者も、チャプスイを食べながら中指を立て「神の掌の上で在るべき姿に収まっている」…そんな自由でアグレッシブでちょっと不思議な雰囲気の物語です。