第97話 文章作法
文章をどう書くかについて、巷にはたくさんの本がある。いろいろ読み比べてみて、自分に合って人に説明しやすい方法が何となく分かってきた。「表記・表現」と「内容・構成」に分けて、整理してみたい。
まずは表記。常用漢字の範囲で書くのは言うまでもない。できるだけ使わずに済ませたいのは五種類。不要な修飾語・接続詞・指示代名詞・カタカナ語・難しい言葉だ。同訓異字も書き分けたい。
同じような表現も避けたい。「~の・~のだ・~という・~てしまった・それ・その・やる・実に・とても・すごく・そして」あたりが繰り返されると、くどくなる。読点「、」は主語の後ともう一ヶ所で十分だろう。
次に内容と構成。形式段落は八十~百字でまとめ、一文は四十字~六十字程度。内容には視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の要素を取り入れ、会話文や比喩も工夫したい。「体験」を通して述べれば説得力も増す。
会話文で始めたり、冒頭にクライマックスをもってくるというのもよい。各文の主語と述語を近づけておき、分かりやすくしておくことも大切だ。文章の書き終わりは、余韻をもたせるくらいがちょうどいい。
形式段落の字数まで決めるのは、やり過ぎかもしれない。だが、四百字詰め原稿用紙で五行と決めれば、好きな部分から書き始めることもできる。手書きで仕上げる小中学校の子どもには、かえって便利かもしれない。
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