第三章は読みやすく、また引き込まれて一気に読んでしまいました。
失礼ながらもここに来て、芝浦刀麻というキャラクターの使い方を、作者も読者も理解し始めたような印象さえ受けました。
あと、これは自分の勝手な想像ですが、霧崎は自分の存在、妹の存在をスケートで証明すると同時に、自分を導いてくれた朝霞先生に応えたい、その燻った背中を押したいと思っていたのに、その役を刀麻に取られてしまい、嫉妬しているのではないか、というようなことも考えました。
また、第四章を読むのが楽しみです。
作者からの返信
アクリル板Wさん
第三章、最後までお読みいただきありがとうございました。
作者としてもこの章でだいぶクリアーに想像して書けるようになったかな、という感触です。
読みやすい、引き込まれる、とのお言葉、大変嬉しいです。
洵については、概ねご想像通りで合っていると思います。
妹の汐音については、彼のスケートの根幹を成す存在ということが、第五章で更に明らかになります。
そして美優に対する感情がどういったものなのかというのも、同時に描かれます。
またお時間のある時にお付き合いいただけたら幸いです。
編集済
金の靴と銀の靴、両方選ぶことが面白くないのは周囲の人間たち。
有象無象の、男か女かもわからない、気持ち悪い声たち。
心の深層にまで届くプレッシャーって、いつもこんな風にのしかかる。
美優さんだけが、靴を二組持つ刀麻を理解したんですね。
そして、刀麻は、初めから、直感的に、美優さんの傷のことを知っていた。
かけがえのないタッグの誕生に感動しました。
二人の活躍、期待してます。
あ、次は新章だ。美優さん、登場するのかな。
作者からの返信
味噌さん
第三章、お読みいただきありがとうございました!
そうなのです。
美優だけが、闇を抱える“ルシファー ”としての刀麻を理解できるのです。
この童話をもとにした金の靴と銀の靴のエピソードは、この作品を描く原点でもあります。
金の靴と銀の靴が具体的に何を指すのかという点については、読者一人一人に委ねますが、「どちらも諦めない」という「選択の拒否(あるいは超克)」が刀麻の本質なのです。
この二人は、今後一つ飛んで、第五章に出てきます。
その際どのような印象を抱くか、確かめていただけたら幸いです。
本来フィギュアは個人競技ですが、この章では「共に滑る」ことがテーマの一つになっているように思えました。美優さんと刀麻くんのアイスダンスもそうですし、精神的には洵くんと汐音ちゃんも。
喪失に向き合うキャラクターには心を掴まれがちなので、洵くんにはさらに興味を惹かれました。刀麻くんとの間合いも一味違うらしい彼、何を見せてくれるのか楽しみです。
作者からの返信
市亀さん
第三章、お読みいただきありがとうございました!
長い作品のため途中で見切りを付けてしまう方が多い中、こうしてお付き合い下さり、感謝しかありません。
そうなんです、この章は「共に滑り、共に闘う」ことで得られる力を描きたかったので、そう言っていただき、本当に嬉しいです。
洵を気に入ってくださり、ありがとうございます!
作者的にダントツ思い入れのあるキャラクターです。
第五章(最終章)で、洵が自らの喪失とどう向き合うのかを、これでもかと抉りながら描いていますので、引き続き見守っていただけたら嬉しいです。
最初、美優さんの手を怪我する描写を読み進めたとき、思わず目を背けたくなるような恐怖を感じました。作者の描写力がそうさせたのだと思います。あの傷は、美雪さんの心の傷でもあるのですね。読み進めると彼女の傷ついた心と腕の怪我がつながってきました。
刀麻くん、今回はかなり男前でしたね。
作者からの返信
下山田大地さん
第三章、お読みいただきありがとうございました!
ここまで読んで下さる方はなかなかいないので本当に嬉しいです。
美優の手首の傷は、一種の刻印(Fateシリーズでいえば令呪のようなもの)なんです。
痛みを通じて心と体が繋がり、その線上に刀麻が現れるというイメージで書きました。
三章の刀麻が一番悪くてセクシーだと作者も思っております笑
>これさえ無かったら。
こんなものに出会わなければ。
まともに、穏やかに、健康に……あとは、何が欲しい?
自分の持っていない物をこれ見よがしにカウントして、幾つ手に入れれば、私は満足する?
本当は、これが無ければ、生きてこられなかったくせに。
これだけが、生を更新する理由だった
この辺、刺さりますね。
もっと違うことを経験していれば違った生き方ができたかもしれないと思っても、結局自分が心血を注いで取り組んだ事実をなかったことにはできないし、なかったと仮定して考えることも想像することもできない。人生ってそういうものかなと感じましたね。
本章は字数が少なめで、サクサク読めました。また次章も楽しみにしています。
作者からの返信
サンダルウッドさん
第三章までお読みいただき、ありがとうございました。
ここまで丁寧に読んでいただけて、作者としては感無量です。
第三章は、単なる情熱ではなく、スケートへの愛憎(複雑に入り組んだアンビバレントな感情)を描きたくて書いた章だったので、そう言っていただけて救われる思いです。
私にとっての音楽がまさにそんな感じだったので、第一章では描けなかった部分を盛り込みました。
自分の半生を賭けたものって、単純な思い入れだけでは片付けられないと思うので…。
またお読みいただければ幸いです!
本当に好きな物を極める為に潜んでいる物。
美しく楽しいだけじゃない暗闇の部分。愛と表裏一体の憎しみ。
もがき苦しんでこそ、もっと輝く事が出来るはず。
言葉にするのが難しい部分の表現に共感が持てます。
必要な時に必要なものに巡り会う事が出来る、それは一つの大きな才能ですね。
さぁ!「取り返しに行きましょう!」
作者からの返信
風の子ふうこさん
第三章、お読みいただきありがとうございました。
そうなんです、この章では愛と憎しみは表裏一体であり、容易に引き剥がせるものではないということを描きたかったのです。
この出会いは美優にとっても刀麻にとっても、運命だと思います。
彼らの師弟タッグのその後を描いてみたいなあと、ぼんやり構想中です。