最終話 狂犬インディーズ
ステージの端から向けられるスポットライトを浴びて、その暖かさで今にも汗が出そうだった。
暗い客席を見ると、普段からライブハウスでよく見かける顔もいくつか見える。
顔見知りの人達は、私が居ない状態でのアヤカ達のライブを何度か見ているのだろう。
久しぶりの私の登場に、驚いている人もいるようだった。
「みなさんこんにちはー!! 初めましての人は初めまして!!」
私はマイクを通して、舞台の下にいるみんなに挨拶をする。
「今日は新曲を披露しようかと思います! さっそくですが〜、一曲目から行っちゃいましょう!」
根暗な私も、ステージの上に立っている時は少しだけ積極的になれた。
一度だけバンドメンバーを見回して、それぞれと目を合わせた私は、前へ向き直ると含み笑いを浮かべる。
そして、私たちに注目してくれる観客に向けて、声高々にこう叫んだ。
「聴いて下さい。…狂犬インディーズ!!」
狂犬インディーズ・完
狂犬インディーズ 雨宮羽音 @HaotoAmamiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます