※少し、読むのはお待ちください。                       第2話  落ち着きを取り戻したはずが....


 さっきの騒動を解決させた俺はやっと、いつも通り読書を始める。そして前田はというと、昼飯はコンビニでパンとおにぎりを買っていたらしく、

 時間には困ることなく食べ終えれたらしい。チェっ、何だよそんなに急ぐ必要もなかったって言うのかよ。

 それはいいとして、俺らのクラスはというと、特に何も騒いでおらず、俺がさっきみたいに冷たい視線を浴びることはなかった。

 さっきのクラスのやつらがメールかなんかで知らせていたらしい。俺は内心とても心配していたので、安心した。

 だがしかし、俺にはまた嫌な予感がしていたのだ。今度は一体何なんだろう? 入学して早々俺には災いが起きるし、

 神様は俺に恨みでもあるのだろうか? 今日は何もないことを祈っておこう。

 うんっ、何もないよね? うんない。そうないはず......



 そして放課後...


 俺の知り合いたちは相変わらず部活で忙しいらしく、俺は一人で帰ることになる。まあ、いつも一人で帰ってるからそろそろ慣れてきちゃったんだけどね!

「よし、そろそろ帰るとするか!」

 クラスには俺以外の皆は帰ったらしく、誰もいなかった。いや、さすがに一人や二人はいてもいいだろ。これって、結構寂しいな。


 俺は靴箱に行き靴を履こうと思ったら、そこにはまたあいつが......


「和也ぁ~、助けてよぉ~。もう嫌になってきちゃったよぉ。」

 あれ? 今回はやけに弱気だな。どうしたんだ? そんなに深刻な事なのか?

「てか、大丈夫か? 何かヤバそうな感じだけど。」

「それがさぁ、さっき騒動あったじゃん?」

「あぁ、あれがどうかしたのか?」

「実はねぇ、そのぉ~、他クラスまでこの騒動が知られたらしくて、別のフロアがまださっきのことを引きずってるんだって。」

 そうか、俺たちは三階だから一階とか二階のやつらとかかな? 何でなんだろうな、やっぱり前田は俺から見ても美人なぐらいだから、前田のことが気になるのかな?

「それは、大変だな。やっぱ前田、結構モテてんじゃないの?」

「えっ、いやぁそれがさ、もう早速14人から告白されちゃってるんだよねぇ。」

「そうなのか? って、だいぶ多いな! もしかして、そいつら全員振ったのか?」

「そんなこと聞かなくても分かるでしょ。そうですよ、全員振ってやりましたよ。もう、いい加減に私に告白するのなんか止めてしまえばいいのにね。振られるって分かってるのになぁ~。」

 いや、それは俺も男の子だからさすがに同意できないんだけどな。青春への夢は壊せないし。それに俺も持っていないわけじゃないし。本当、前田に恋してるやつらは残念だよな~。だって、コイツに恋をすると振られる未来が待ってるんだからさ。俺は前田の本性を知ってるから好意を持たなくてすんでいるけど、俺も知らなかったら前田に恋しちまってるんだろうな。

「てか、全員振ったのに何でそんなに平気なんだよ? それがもし俺だったら、絶対に精神状態が安定しないのに...」

「私だってこう見えて普通な状態じゃないんだよ? でも、振ってからこっちも責任を感じたりしてたら、また次のやつも来たり、そうしてると相手をどう振ればいいかもも分かってきちゃうんだよねぇ~。いや、責任はちゃんと感じてるよ?そりゃあ、ね?好きな人から振られるって相当なダメージ負うんだろうしね。」


(注:これは私の個人的な見解です。なので女性の方々がどう思っているのかは知りませんので予めご了承下さい。)


「まあ、そうなるよな。確かにそんな量をこなしてきたら、慣れちゃったりもするよな。でさ、本題から脱線しちまってるけど、大丈夫か?」

「あぁ、そうそう。本題はここからなんだけど他のフロアのやつに捕まえられたりしたら面倒だからさ、今日はそのぉ、一緒に帰ってくれない?」

 えっ、こいつ今俺と帰りたいって言ってるのか? いやいや絶対無理だろそんなもん。だってもし、がたいの良いやつが襲ってきたりしてきたらどうしてくれるんだよ?そりゃあもう、コテンパンにされるわな。

「いやぁ~、それは俺にも無理な話だな。」

「何でよ? ピンチになったらこれからも助け合おうって言ったよね?」

「言ったよ。でもさ、今もこうやって二人で話してるわけだろ? てことはさ、てことはだよ? 絶対にどこかから、俺たちの事を監視してるやつがいてもおかしくはないだろ?」

「だから私は一緒に帰ろうって言ってるんだよ? このままお互い一人で帰ったら二人とも無事に家に帰ることは出来なくなるかも知れないんだよ?」

「でも、それもそうか~。なら、やっぱり俺ら二人で帰った方がいいのか?」

「そうだよ! まあ、誤解はされないようにした方がいいのかもね。だから、ある程度配慮して一緒に帰ろう。ね?」

「そうだな。なら今日は二人で帰るとするか。」

「うん。じゃあ、1組はあっちだから靴履いてくるね?」

「おう、じゃあ外で落ち合おうな。」

「OK! そうしよう。」

 今思ったんだけど、ここって割と進学校にしては結構そういうやつもいるもんなんだな。何でだろうな、やっぱりマドンナと付き合いたいのはどこの男子も変わらないのかな?


(注:これも個人的な見解です。なので((以下省略)) )


 ついでに言っておくけど、俺たちのこの高校は中学からそんなに離れているわけでもないので、うちの中学から進学してくる生徒も多いらしく、

 うちの中学はこの高校に進学させたいのかテストのレベルも高くなっていて、ここに入学するのは案外簡単らしい。

 まあ、俺みたいに勉強に手を抜かないやつらなら、なおさら入学しやすいらしい。

 でも、高校には入ってからサボるやつらもいるので二年に進学したら赤点を取るやつも出てきくるから進学率はその辺の高校とあまり変わらないんだとか。

 ここは私立だけど、学費は他の所と比べると比較的安く、その割には校内の施設もとても整っているので、とても人気のある高校ってわけだ。

 だから、俺たちは元々一緒の中学だし、それ以前に幼稚園から一緒なので家も同じ方向にあって同じところらへんに(つまり、近所に)あるから、今こうして一緒に帰ってるってわけ。


 俺たちはお互いに肩が触れ合わない程度の距離を保って歩いている。大体30センチぐらいかな? この距離でも誤解は招きかねないと思うけどな。(奴らの)

「和也、心配しなくてもいいからね。今私が他クラスの人達の誤解を解いてる最中だから。」

「それは良かったよ。なら少し、肩の力を抜くとするか。そういや前田ってさどうして友達がそんなに早く増えていくんだ?」

 これは俺の率直な感想である。ここまで友達の多いやつを見ると変な感じになるんだよな。あっ、別に嫉妬してるってわけじゃないからな? だってこんなにも友達の多いやつを見ると何だか心配になってくるしね。

「う~~ん、そんなこと聞かれてもなぁ~。何でなんだろ? 始めに仲良くなりたいって思った人は自分で話しかけて友達になるんだけど、他の人達は勝手に私の所に来て『こんにちは! 前田さん! うちと友達になってくれませんか?』みたいな感じで声をかけてきて、友達になるって感じかな?」

 そんな感じなんだろうとは思ってたけどさ、それって本当に友達って言えるのかな? 知り合いのことまで友達って呼んだりしてるんじゃ......

「前田。お前ってさ、自分の知り合いも含めて何割ぐらいが友達になるんだ?」

「えっ、友達? う~ん、9割ぐらいかな?」

 マジかよ...やっぱりこいつって....

「なあ、前田? そのうちの中で自分で話しかけたのって何割ぐらいなんだ?」

「確かぁ~、半分とちょっとぐらいかな?」

 ふぅ、何だよ焦らしやがって。まあ、それなら全然大丈夫か。

「そんなこと急に聞いてきてどうしたの?」

「いやぁ、素直に前田の友達が多いことに感心したから、誰がどんな感じなんだろう?って思って聞いてみただけだよ。ごめんな、変な心配かけさしちまって。それとありがとな、俺の一方的な質問も聞いてくれて。(それと俺がこんなにも心配をかけまくってごめんな。)」

「とんでもない! ただ自分の友達、なのかな? の事をちょろっと説明しただけなのにそこまで言ってくれなくてもいいのに。後さ、最後にまた、ぼそぼそ何か言っていたみたいだけどなんて言ってたの? 聞こえなかったからもう一回言ってよ?」

「いや、特に何もないから気にしないでくれ。」

 いやぁ~、とにかくこれで一件落着だな。こいつの友達も多いみたいだし、騒動もそのうち終息を向かえてくれるだろう。



 そうして俺たちは問題もなく帰宅できたのであった。

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俺の青春はこんなもんじゃねえぞ!! (仮) 月出 時雨 @hakumaru

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