北魏15 拓跋嗣侵攻12 

救援軍の檀道濟だんどうさい彭城ほうじょうに到着。

司州ししゅう青州せいしゅうに至る分かれ道である。


どちらも、やばい。

しかし檀道済が預かった兵力は多くなく、

下手に兵を分ければ共倒れとなる。

なので青州が近く、かつ竺夔じくきの軍の

士気が危ういことを踏まえ、

全軍を青州に進ませた。


一方の青州、竺夔。

工作隊を編成し、城の南に

東西に渡る空堀を掘らせた。

対する北魏ほくぎ軍は城の北三百歩ほどの距離に、

こちらは水をたたえた堀を敷設。


竺夔は閭茂りょもらに射撃のうまい五十人を与え、

出城から北魏軍を攻撃させる。

北魏軍数百が出城を囲み、

逆に射掛けてきたので、

出城での守りを固め、決死の戦いを見せた。


馬に乗ったままでは、埒が明かない。

北魏軍は馬から降り、

武器を長物から剣に替え、

城壁に取り付こうとする。

すると今度はそこに、弓に加えて

弩による攻撃も加わった。

散々に打ち倒されてしまった北魏軍は、

慌てて後退。


遠巻きに戦っていたのでは、

ケリがつかない。

北魏軍は、城の外堀を埋めると、

高樓車を四台動かし、

かつ、内堀を埋めるための

土を搭載した車を二十台運用。

彼らが引いた堀の内側に展開した。




檀道濟至彭城,以青、司二州並急,而所領不多,不足分赴,青州道近,竺夔兵弱,先救青州。竺夔遣人出城作東西南塹,虜於城北三百餘步鑿長圍,夔遣參軍閭茂等領善射五十人,依牆射虜,虜騎數百馳來圍牆,牆內納射,固牆死戰。虜下馬步進,短兵接,城上弓弩俱發,虜乃披散。虜遂填外塹,引高樓四所,蝦蟆車二十乘,置長圍內。


檀道濟の彭城に至れるに、青、司二州の並べて急なれど領せる所の多からず、分赴には足らざれば、青州の道近しく、竺夔が兵の弱きを以て、先に青州を救う。竺夔は人を遣りて城を出し東西に南塹せしむ。虜は城が北三百餘步に長圍を鑿す。夔は參軍の閭茂らを遣りて射に善き五十人を領せしめ、牆に依りて虜を射たしむ。虜騎數百は馳せ來たりて牆を圍み、牆內に射を納まば牆を固め死戰す。虜は馬を下り步にて進み、短兵にて接せど、城上の弓弩の俱に發せるに、虜は乃ち披散す。虜は遂に外塹を填じ、高樓を四所に引き、蝦蟆車を二十乘、長圍が內に置く。


(宋書95-15_衰亡)





いまいち流れがよくわからない。北から攻めてこられてるのに南に空堀?


牆はいわゆる馬面? それとも出城? 出城だとしたら、本城との位置関係はどんな感じ?


堀の位置関係も謎。これは自分の読み方が悪いのか、あるいは単純に情報不足なのか。


わかるのは「竺夔も檀道済の到着までめっちゃ頑張ってた」の、ただ一点ですかね。あとは司州が北方守備の要であるぶん強兵が、青州は

山とかの関係で抜かれても簡単には徐州まで下れないからか、投降兵を含んだ「劉宋軍お試しプラン」な部隊が配されていたっぽい、ということか。竺夔自身はいつ頃劉宋に合流したのかなあ。割と青州って刺史に晩渡北人充てること多いんですよねー。

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