伊吹高校に通う生徒は皆何らかの部活に所属しなければならない。しかし瀬野蓮冬は四月も終わりに近づいているのに未だに部活に入るかを決めていなかった。そんな蓮冬に目をつけたのが、演劇研究会「サンデーゴリラ」。彼らはあの手この手を使って、蓮冬を勧誘するが、蓮冬には演劇研究会にだけは入りたくない理由があるようで……。
とにかくキャラクターの一人一人が立っているのが本作品の最大の特徴。天然ドジっ子で蓮冬を勧誘しようとしては自滅気味なトラブルを引き起こすクラスメートの桃紙萌々絵に、蓮冬の幼馴染でいつもお姉ちゃんっぽく振る舞う宇仁島羽織、そして学年随一の美少女ながら冷たすぎる言動によりヒャド子というあだ名がつけられた内田有栖。それ以外の演劇研究会の先輩たちやクラスの友人に至るまで男女問わずやたら個性的で、そんな彼女たちに振り回される蓮冬の語りも軽快で非常に楽しくテンポよく読める作品。
ただ楽しいばかりではなくて、周りと較べて自分だけ上手くやれなかったり、つい先輩と対立してしまったり、練習が嫌になってサボってしまったりと、部活につきものの悩みやトラブルもしっかり押さえた青春ラブコメに仕上がっている。
(「部活、どうでしょう?」4選/文=柿崎 憲)
キャラの濃い美少女たちに囲まれて、破天荒な演劇部ライフが始まります。といっても、物語開始当初は、主人公が演劇部に入るかどうか迷っています。なので美少女たちが、あの手この手で主人公を罠にハメようと、もとい入部届を書かせようと七転八倒します。
登場する美少女たちもタイプが複数ありまして、頑張り屋さんの鉄砲玉みたいな同級生もいるし、無茶なことを好んでやる上級生もいるし、巨乳の甘々お姉さんもいるし、いたせりつくせりです。
物語の展開的に、まだまだ仲間は増えそうな感じですが、とにかくこの作者は勢いのあるコメディシーンを書くのが上手です。濃いキャラたちを適切に動かして、面白いシーンを連発することになります。ほんのちょっとだけ常識から外れた角度からボケやギャグが入ってくるため、予想外の面白さが生まれるのです。
かといって美少女たちの可愛さが失われるわけではないので、ついつい頭の中で彼女たちのヴィジュアルを想像することになります。
とくに物語中でも人気がある巨乳の甘々お姉さんは最高です。アイドルみたいにファンがつくのも納得です。そしてそんな納得の美少女像を構築した作者に脱帽です。
私はレビューを書いている身なのですが、客観的な視点を捨てて、この巨乳の甘々お姉さんの登場シーンをもっと増やしてほしいなと強く思いました。