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戦闘時に人格が切り替わる……切り替えることで心を保とうとする。大なり小なり、歴史上の兵士にも多く見られる症状らしいですね。戦後、日常でその切り替えが上手く行かず、心が壊れてしまった例が多数あるようです。
村の生活で戦闘者としての自分を手放せそうになっていたラルフが、再び剣を取る。振り返れば、ティアンに剣を渡した時の「俺には、もう必要ない代物だ」というラルフの言葉、その裏にあった心情はとても深いものだったように思います。
作者からの返信
# アズサヨシタカ様
コメントして頂き、ありがとうございます。
おっしゃる通り、精神的な疾患があるラルフにとって、戦闘時におけるバーサーカー化、もしくは二重人格は、本人が意図したにせよ無意識にせよ、ある種の心を保護するための装置として作用しています。
(その変化が凶暴化として表れて、それがレシド帝国側には、死神だとなんだのと言われていますが、単にラルフはそういうふうにしか戦えないのです。相手が人間なら特に。汗)
そしてラルフの剣は、騎士の位を授かった時に、リヒテ王国から承った『騎士の剣』となります。
設定を少し補足すると、騎士の家や、有名貴族は、騎士の剣自体は儀礼用として保管し、自分の剣を別に持っていたりします。
でも本編の中で、ラルフが過去の夢を見た時ちらっと出てきましたが、彼は庶民出身の少年兵で、成り上がって騎士となった人物なので、その『騎士の剣』をそのまま愛用していました。
それでは、お手すきの際にまたお読み頂けたら幸いです!
ラルフさん、吹っ切れるのがほんのちょっぴり遅かったよ。
それとも、ギリギリ間に合ったのか……
残ったのはレナちゃんだけ。
悲痛さで胸が締め付けられるようでした。
作者からの返信
# 上野文さま
コメントして頂き、ありがとうございます。
ラルフは本編の中でも出てきましたが、少年兵出身の、戦争によってPTSDを抱えている人物です。
(よく幻覚を見たり、以前の出来事を夢で見てうなされたりするのは、その心的外傷後ストレス障害のせいとなります)
そして戦闘で、ちょっと人が変わってしまった感じになるのは、ラルフ的にはわりと平常運転の状態です。
『ジキルとハイド』のように、ラルフも戦闘では人が変わったように人格が変わる……というのが元々の企画段階での設定でして、なんというか狂戦士っぽい感じですね。(汗)
それでは、残りわずかですので、お手すきの際にまたお読み頂けたら幸いです。
ラルフさんの言葉も帝国軍の言葉も胸が苦しくなりますね……どちらも失っていますから。戦うときはまともな精神ではいられないので、人格が変わるだろうなと思うと切ない……。
うーん、辛いですね!レナさんだけでも助かってよかった。
作者からの返信
# 蒼瑠璃さま
コメントして頂き、ありがとうございます。
いつも読んでくださって、たいへん励みになっております。
あの村を襲った帝国兵の部隊は、本編の中では説明されていませんが、実は指揮官であるコルランの独断で部隊を動かしています。
そしてコルランの配下の部隊は、全て戦争の終わり頃に補充されてきた支援部隊で、もともと送り込まれた帝国の兵士たち(もう死亡、行方不明を含む)を縁者を持っている人員が大半で構成されています。
彼らの立場からすれば、リヒテ王国は自分たちの家族、友人を殺してきた憎き相手になるのではないでしょうか。
まあ、この辺の事情とかの話は、たぶんこの物語の後続を投稿することになれば、そこで触れられる部分ではあります。
(ネタバレしまくっていますね。汗)
それでは、もうそろそろ『亡国の騎士とユリカゴの少女』の話も完結が近づいてきましたので、お手すきの際にまたお読み頂けたら幸いです!