描写も丁寧だし、キャラクターの個性もしっかりしていて、堅実かつ小綺麗に纏まっている印象です。会話も自然ですし、土台となる部分は非常にしっかりしていて、ほぼ違和感なく読み進められました。
ただ、物語そのものとしての、ふわふわとした「面白くなりそう」は感じられるのですが、肝心の「面白い」部分が個人的には皆無に近かったです。全体的に、悪い意味で自然すぎると感じました。
そこの辺りは、色々な要素とトレードオフになってしまうかなとは思うのですが、娯楽小説として最も優先すべき「面白さ」の部分が非常に淡白で、表現力や設定、キャラクターなどが本当にしっかりしているだけに、とても歯がゆいです。傑作的な緻密さがある訳でも、かと言ってどこか魅力的な荒削りでもない、ある程度の自然さと整合性が取れた、起伏に乏しい物語だなと感じました。
表現力、設定、キャラクター、セリフなどは非常に素晴らしいと思うので、充分以上に楽しめるかと思います。好き嫌いが別れない小説だと思うので、オススメです。
第二章の第23話(これを書いている時点での最新話)まで読みました☆
主人公は魔法を科学的に理解しようと行動するのですが、検証の方法なども実際に魔法があってそれを検証するなら、こんな感じなのかもなと思えるやり方で、とてもリアリティがあります。
ファンタジーだと分かっているのに、読みながら一緒に魔法とは何なのかについて考え出してしまいました。
しかも魔法の科学的な考察の部分だけが魅力ではなく、ストーリー自体にも満足です。
第一章を読んだだけでも、此処までに提示された謎がある程度解決して「そう言うことだったのか!」って爽快な気分になりました。
そして、今後の展開で解決されていくのかな?と思えるいくつかの伏線も残っていて、第二章を読みたいと思える原動力になっています。
第二章で巻き込まれる新たな事件も面白いです。
このピンチを主人公がどう切り抜けていくのか気になります!
何もかも一新され、第二章では科学的な魔法の考察も流石に少なくなっていくかもと思っていたら、まだまだ新たな事実が出てきて……
奥が深い物語だなと思います。
読んで損はない、面白い作品です☆