何事もなかったかの様に





その週の木曜日の17:30。


海斗と駅で待ち合わせをしていた



駅に座っている海斗を見つけた。


「よっ」


「おぉ。ありがとね、来てくれて」


「ううん。都合のいい女だから」


「やめて、気まずい。行こ」



わたしたちは電車に乗って海斗のフットサルをやっているところにむかった



「着いたらメンバーみんなで軽く飯食うらしい」


「そうなの?知らない人たちしかいないから気まずいなぁ」


「みんないい人だから。先輩しかいないけど」



着いてファミレスに向かった



「海斗ー!こっちこっち!」


ワイワイガヤガヤしていて人見知りなわたしは苦手な雰囲気だった



「おっ!噂の海斗の彼女?」


「違いますって(笑)友達です」


「そうなの?名前なんて言うの?」


「萩花です。よろしくお願いします」


「しゅうちゃん!海斗と付き合ってないの〜?」


「付き合ってないですよ、中学の同級生です」


「じゃあ俺にしとく?(笑)」



……いやいや。冗談だとしてもあなたの隣に彼女さんいるし。笑えないわ。



「やめてくださいよ、こいつ、すぐ本気にしちゃうから(笑)」


むかつく……なにその海斗のフォロー。フォローになってないし。



むすっとしたままわたしは飲み物だけ飲んで時間が経つのを待っていた



「そろそろ行こかー。」



みんなでフットサル会場に向かった



試合が始まってメンバーの彼女さんたちとフットサルを見ていた



かっこいいなぁ。


やっぱりかっこいいと思った


サッカーやってる海斗大好きだったなぁ。



メンバーのひとりの彼女さんに話しかけられた



「萩花ちゃん、だよね?」


「あ、そうです。よろしくお願いします」


「わたし、萩花ちゃんと同い年なの。中学も近かったから名前は知ってたんだ。モモって呼んでね」


「同い年だったんだ、大人っぽいね。モモって呼ぶね。わたしのことも萩花でいいよ」


「萩花はさ、海斗のことすきなの?」


「分からないんだ」


「いつき達と海斗が話してるの聞いてたことがあるんだけどさ。2人色々あったっぽいね」


いつき先輩はフットサルメンバーのひとりだった。



「そうだねぇ……。結局何だったのかもよく分からない。もう会わないのかと思ってたらこういうの呼ばれるし」


「でも、海斗から女の子の話するときって萩花の話しかしないから海斗もそれなりに気持ちがあるのかもしれないね」


「いやいや、都合がいいように使われてるだけだよ」


「そんな寂しいこと言わないでよ。萩花が海斗に気があるなら今度よにんで遊ぼうよ」


「え、いいの?あそびたい」



わたしたち4人は最寄りの駅が同じだったこともあってフットサルが終わったら4人で帰ることになった。



みんなで帰って、さて解散……という雰囲気になったときいつき先輩が言った。


「海斗、萩花ちゃんのこと送っていくんでしょ?」


「え、、」


「あああ!大丈夫です。近いし。海斗遠回りになっちゃうから。」


わたしが慌てて返事をすると


「だってもう22時だよ。ひとりで帰すわけにはいかないよ。海斗どうすんの?送っていかないなら俺行くけど」


「あ、自分送って行きますよ」


「わかった。じゃあ、気を付けてね。今日はありがとね!」



なんて気を遣える人なんだ……紳士だ……モモ、幸せ者だなぁ。



また、2人になった。


……なんか気まずい。



「あ、大丈夫だよ。ひとりで帰れる」


「送ってくよ」


「いいよ、大丈夫。」


「別にいいから。ん、乗って」



久しぶりに海斗の自転車の後ろに乗った。


懐かしいな〜。



少し進むと海斗は自転車をすぐ止めた



「え?なに?」


「交換」


「は?ん?どゆこと?」


「お前が前。俺後ろ」


「はいいいい?!?」



強制的にわたしが運転することになった



「……重いんですけど。なんでわたし前なんですか、、、」


「送ってやるんだから贅沢いうな」


「はぁ……」



重い自転車を漕いでいると海斗に後ろから抱きつかれた。



「……何?」


「、、落ち着く」


「セクハラだよ」


「ふふ(笑)ねぇ、制服のスカート短すぎない?それで学校行ってるの?」


「そうだよ」


「……やだ」


「何言ってんの(笑)」


「そんな格好しないで。誰にも見せないで」


「じゃあ5回折ってるから4回にする」


「変わんねぇじゃん(笑)」




冗談で返すことしか出来なかった。


なんでこの子は期待させるようなことばっかり言うんだろう。


たいして好きでもないくせに。


どうせ、なんか違ったわって言うくせに。




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