突如現れた魔晶と魔獣、迷宮の仕組みや、それらに対処する人類のスタンスなど、そんな緻密に練り込まれた世界観に自然と物語の中へ引き込まれます。
特に話の中で何気なく登場する小物とか、垣間見える社会のシステムなども物語の世界に生気を吹き込み、もっと現実味を与えてくれます。
また魔法系統や、その行使の仕組みについて、しっかりとした理屈が用意されており、またそれらが東洋と西洋と科学が合わさったユニークな解析のもので、そのユニークさがこの作品が興味を引く一つの要因だと思います。
人物に対しても、命彦のように主人公最強系とは言わないまでも、最初から相当な強さ(女性関係も含めてですが)を見せつけてくれるキャラもいれば、舞子のように段々と成長していくような晩成型のキャラがいたりと、登場するキャラたちもそれぞれ特徴があり個性を持っている点も魅力的です。
そして物語が進んでいくにつれ、次々と発生する事件と並行してそのスケールも徐々に大きくなり、それらを最終ステージへと持っていく話の運び方が上手く、つい時間を忘れて読み進めることができました。