無聊
滝沢明矩
無聊
私は寂しい。故に、彼らを喚ぶのだ。彼らは永久から来る。それは私の前世からの約束であり、未来への希望だ。希望であるが、ちょっと怖くもある。なぜなら、彼らは私のことを見もしない。だが、彼らは常夏のように明るい。
第一の友人が私の室に訪れた。
「やあ、友よ。時は満ちたかい」
「いや、どうもね」
「なんだい、珍しく口調に含みがあるじゃないか」
「はは。君には弱い」
「馬鹿な。俺ほど愚かな者もいないよ」
「どうかな……」
私たちは大ぶ話し合った。世界の将来について、私たちの環境について、未知の存在について。
「そろそろお暇しようかな」
「また来てくれ」
「もちろん。じゃ」
私は笑った。その後、第二、第三の友人が訪れ、真夜中まで話し合った。まだ、見ぬ未来へ。
無聊 滝沢明矩 @takizawaakinori
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