第6話
周りのから聞こえてくる声は
「高橋ずるいわー」
「いいなぁ」
と言う妬みの声が聞こえる。
そして、何となく真ん中ら辺の智の方を見ると何か言いたげな顔していたので、口パクで「あとで」
と伝えておいた。
そして何より強い視線をドアの付近で放っていた遥に気がついた。めちゃめちゃ怒ってる気がするんだけど…まあいっか
「ねぇ私のこと覚えてる?」
「もちろん。沖縄であった花奈でしょ?」
「お、覚えててくれたんだ」
何だこいつ顔赤いぞ?
「あの時はありがとうな」
「少しは笑えるようになったんだね」
「おかげさまで」
「何で?そんなにそっけないの?前はすごいはしゃいでたじゃん」
「あのなぁ、俺はクラスのみんなから妬まれたくないんだわ…話しかけられて嬉しいけどさ俺どっちかと言ったら陰キャだから、関わらないほうがいいぞ?」
とうつ伏せになりながら言った。まぁこれであっさりとわかったとか言われても辛いけどでも花奈のためだと俺は思う。
「ないじゃん…」
「なに?」
「陰キャとか陽キャとか関係ないじゃん!!私が関わりを持ちたいと思った人だけと私は関わりたい!」
「…そりゃあ、ごめん」
すごい怒ってるなぁ。こう言うやつなんだな。でも今の言い方だと俺と関係を持ちたいって言ってるように解釈できてしまうけど…
俺は、あいつに何もしていないしむしろして貰った側なんだけどなぁ。まぁいいや。
花奈は教科書を持ってないらしいので隣の俺が見せてやれと先生に頼まれた。やっぱり好きだった人だから意識するところはある。めちゃめちゃある。でも平常心を保ちノートをとっていると突然花奈が
「ねーね」
「どうした?」
「約束忘れてないよね?」
「そりゃあ忘れないでしょ。つい数ヶ月前のことだしな」
「ふふ、覚えてたんだ。意外」
「意外じゃねえし」
「嬉しい。これからもよろしくね!」
俺はつい照れて顔を逸らした
「おう」
と短く返答しそこからは何も話さずに授業に取り組んだ。
そんなことが続き、気づけばもう昼休憩。智に呼び出されるとしたらこの時間だろう。
「笑輝科学室に来い」
「言われなくてもいくっつーの」
科学室には先着がいた。清水遥だった。まあ予想はついていたけど…まだ不機嫌そうだ。
「何でお前がいんの?」
智が強い口調で言う。遥は不機嫌だから喧嘩になるかもしれない。ここは俺から説明したほうがいいだろう
「昨日俺クラスの集まり行かないで、遥に最近起こったこととか話してたんだ。だから遥も花奈のことは知ってるってわけ。で、二人は俺に花奈について質問したいんでしょ?」
「そうだね」
「そうだ」
二人が口を揃えていった
「何を聞きたいの?」
「まぁ休憩時間はたっぷりあるしまずはご飯食べよ」
遥が言った
「そうだな」
智も了承してくれた。
そんなこんなでご飯を食べ終えて本題に入る
「お前さぁ、何であの子に対してそんなそっけないの?」
智の質問に俺はドキッとしてしまった。
「一番の理由はみんなに妬まれたくない。他に理由があるとすれば………なんか気まづい。」
「ブッフォッッ」
「な、なんだよ」
「ダサいなって思って〜」
確かにダサいなって言おうとしたけど面倒くさくなりそうだからやめておこう。
次に遥が
「やっぱりまだ好きなんでしょ?!!!?」
こいつもこいつでストーレートすぎる
「好きなのかどうかはわからない。そりゃあ好きだったから多少意識はするけど。」
「そっか」
遥はしょんぼりした。
「なんで?遥はそんなに気にするのかな?」
そう言ったら二人とも目が点になっていた。
「お前って本当バカすぎる」
智は可笑しそうにゲラゲラ笑っている
「き…だから」
「え?」
「好き、だから」
「誰を?」
「笑輝のことを中学校2年生からずっとずっと好きでした。」
僕が知らない君を教えて さいでんさん @1-sa-1
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