907話 連戦
夕食は皆一緒でとる。
だからモルガンもチャッカリ同席しているわけだ。
警備上の理由で、屋敷に住んでいるからな。
夕食のあとは、世間話の時間となる。
自然とフラヴィの話題がでた。
カルメンがいろいろと注意事項を列挙している。
なんのかんので、面倒見がいいな。
注意事項を聞き終えても、皆は慣れたもので反発など起こさない。
モルガンだけは思案顔だ。
俺の視線に気がつくと、軽く一礼した。
「ラヴェンナ卿。
取扱注意のアズナヴール嬢は、ウードンの推挙だとか?」
モルガンはイポリートに興味があるのか?
芸術とは縁遠い存在だと思ったが。
「ええ。
ダンスに興味でも?」
モルガンは苦笑して手をふった。
「まさか。
私の趣味は私だけです。
しかも私が踊っても無様なので、ダンスに興味はありません。
それよりひとつお伺いしたいのですが……。
ウードンに市民権をお与えになるので?」
自分の趣味は自分だけか。
自己愛が強いと見るべきだろう。
ただ……そうは思えない。
ユウにロマン、トマと自己愛の怪物ばかり見てきたせいだろうか。
どちらにせよ、他人に迷惑を掛けなければ、どうでもいいことだ。
「師範も希望しています。
ゆくゆくは。
それがなにか?」
「ウードンの同性愛は有名ですが……。
もし同性婚を希望したら、どうされますか?
他所では当然拒否されます。
ところがラヴェンナでは個人の意志が尊重される。
どのような判断になるのか。
法律的観点から大変興味がありましてね」
将来は法律関係の職に就きたい……と言っていたな。
これまた、難しい問題を持ちだしてきたなぁ……。
「本人たちが同意していたら……。
認めないのも、おかしな話ですね。
認めなくても勝手に同居するでしょうし」
「では……。
異性婚と相違ない権利をお認めになるので?」
モルガンの言いたいことが理解出来たぞ。
法律の適用範囲を広げるのかと聞いているのか。
鋭い視点だな。
本人の希望通り、法律関係を任せていいかもしれない。
結婚法の意義を完璧に理解しているのだ。
ある意味で逸材かもしれない。
「いえ。
結婚法は、異性同士の婚姻を前提としています。
つまり出産と子育てを想定した福祉も含まれる。
ここは同性婚として、別の法律を制定すべきです。
同じ法で処理しては、大きな不公平が生じるでしょう」
子供を育てるのに苦労は大きい。
だからこその優遇でもある。
同性婚に同等の特権を認めたら不公平だろう。
たしかに普通の結婚でも子供が生まれないことはある。
望んでも生まれないか産むことを望まないか。
そこまで考えては、かえって不公平になる。
多くの夫婦は子供を望むので、そちらを基準にすべきだろう。
同性婚だと100パーセント子供が生まれない。
それならば出産を前提とした特典を受ける資格がないだろう。
この特典の原資は税金だ。
税金を使うには明確な理由か必要だろう。
異性婚では少数の例外に目を
これはすべての法律に当て嵌まる原則だ。
とくに受益関連の法律では。
得をするなら、多少は大目に見ることで円滑に運用出来る。
罰則関係だとそれだけでは柔軟さを欠く。
だからこそ裁判所がある。
プラスは最大に、マイナスは最小に。
ここまでして、ようやく民衆は公平な法律だ……と信頼するようになる。
逆では最悪だ。
社会の発展に寄与しない。
自滅させたいならそうすべきだが……。
モルガンは珍しく喜色満面の笑みを浮かべる。
「まったく同感です。
ラヴェンナ卿が安易に、範囲を広げないことに感心しましたよ。
子供を産んでくれることが、共同体への貢献です。
子をなさない同性婚など従来であれば認めないでしょう。
認めることが異例とも言えますが……」
人口が減れば、ラヴェンナの力が落ちるからな。
どこの領地も、子を産むことは歓迎される。
あまりに人口が増えれば、事情は変わってくるが……。
いまの医療技術では
「統治者としては推奨出来ません。
だからと否定しては、ラヴェンナ法の根源と矛盾してしまう。
そもそもの話……無理に普通の結婚を強いても、生まれる子供が不幸になりますから。
不幸な人を増やす法など不要です」
子供の成長の大部分は、家庭環境に依存する。
環境が悪くても立派に育つ子はいるが……。
比率で見たら少ないだろう。
貴族であれば、家のために子を産む義務がある。
家臣たちがフォローしてくれるから、愛がなくても然程問題にならない。
平民の場合は、家庭環境が強く影響されるだろう。
モルガンの目が鋭くなる。
「推奨はしないが認めると。
どのあたりまで権利を認めますか?」
踏み込んでくるなぁ……。
普通はこのような難しい問題に、首を突っ込みたがらない。
モルガンにその手の遠慮はないようだ。
「まあ……。
財産の相続権や裁判における証言の拒否など。
つまりは普通の夫婦に認められる権利ですね。
子をなさないからと言って、親族間の結婚を認めるかは難しいところですが」
近親
慣習的な意味もあるが……。
これが最大の理由となり、禁止されていた。
それはラヴェンナも同様だ。
キアラが散々文句を言っていたが……。
当然笑ってスルーされた。
だが同性婚の場合、最大の禁止要素が消えてしまう。
ここは議論が必要になるだろう。
認めるのは夫婦に適用される権利だな。
財産の分与は、配偶者として扱われる。
そして肉親が罪を犯した場合、裁判での証言は求められない。
これも適用されるだろう。
同性婚を認めない場合、証言を求められる。
法律上は他人なのだ。
話を聞いていたカルメンが、首をかしげる。
「子供は生まれないけど、養子をとることでの貢献は考慮しませんか?」
モルガンは静かに首をふる。
「それは子が増えたことにはなりません。
保護者の移動でしかない。
それに無視出来ない弊害があるでしょう」
この正直者に遠慮は無縁らしい。
世界主義では波風立てなかったらしいが、これが本性なのだろう。
カルメンの目が鋭くなる。
カルメンは同性愛者ではないはずだ。
もしかしたら友人に同性愛者がいるのだろうか。
「弊害って?」
モルガンは涼しい顔で肩をすくめる。
「同性婚の親で育てられた子供まで、同性愛者になられては困るのですよ。
子供は親の顔を見て育ちます。
同性婚の親に育てられた子供が、普通の恋愛を出来ると思いますか?
親に隠れた恋愛になるでしょう。
そもそも相手の親が認めるかも怪しい。
それなら同性愛になるのでは?」
直球だなぁ。
同性婚の養子は、そのような影響があるだろう。
義理の親が家庭内で異性婚を軽蔑するような言動だったら?
そもそも養子に友人が作れるのか。
仮に出来たとして、友人の両親はそれをよしとするのか。
結婚は本人同士の権利として認める。
養子に関してはそう簡単にいかない。
安易な許可は不幸を産む母体になってしまう。
決める側はいいだろうが……。
決められる側が不満を溜め込むようではなぁ。
悪法以外の何物でもない。
カルメンは珍しく不機嫌な表情になる。
「そうなるとは限らないと思うけど?」
声まで刺々しくなっている。
カルメンが皆の前で怒るのは珍しい。
キアラが心配そうな顔をするが、モルガンは涼しい顔だ。
「
ただしそうなる確率は、普通の家庭より遙かに高い。
違いますか?」
否定しようがない正論だ。
カルメンは苦虫をかみつぶしたような顔になる。
「それはそうだけど……。
確率で、法を決めていいの?」
モルガンは表情ひとつ変えない。
なんというか……図太いよな。
「法とは効率的に人々が生きるための道具です。
だからこそ法は確率で決められるでしょう。
貧困を生まないように、教育を重視するのは……。
貧困家庭で育った子供は、問題を起こす確率が高いからです。
ただし確率を前面に押し出しては、百害あって一利なし。
問題を起こさず生きている者たちまで傷つけてしまう。
真面目に生きるのが馬鹿馬鹿しくなる。
それでは問題を起こす率が上がってしまう。
実態は冷徹そのものだからこそ、奇麗な言葉で飾るのです」
このまま放置しても問題だ。
そもそもキアラからの圧が凄い。
なんとかしてくれと。
「まあ……間違っていません。
限られた資金や人で、社会に対応するには効率を無視出来ませんからね。
効率ばかりに偏重しては、事
ある程度は考える必要があるでしょう。
言わないことで丸く収まる話もあります。
そもそも言い方ひとつで、印象は変わるでしょう?
ルルーシュ殿の物言いは正直過ぎて、冷たく感じるだけです」
カルメンは複雑な表情になったが、キアラの表情に気がついて肩をすくめる。
これ以上場を荒らしたくないのだろう。
それにしても、キアラについでカルメンと連戦かよ。
皆がやりたがらない戦いだぞ。
しかしモルガンは平気で突き進む。
このような微妙な空気でも、モデストは平然とワインのお代わりを頼んでいる。
我関せずだな。
カルメンが不当に攻撃されれば介入するだろうが、それ以外は大人として扱う。
つまりは介入などしない。
オロオロとしていたアーデルヘイトが、突然挙手する。
焦っておかしな挙動をしてしまったようだ。
「旦那さま。
ええと……。
同性婚は人口増加の観点から非効率なので、推奨はしない。
ただし本人たちの意思を尊重して、結婚は認める。
でも養子をとることは認めないつもりですか?」
この話の結論をだして、話題を変えたいと思ったようだ。
話題を変えるのは賛成だな。
それにしても……。
モルガンの正直さには脱帽だ。
もしかしたら、顧問としての役割に忠実なのかもしれない。
必要なければ、
ここで摩擦が起こるのは、俺たちがナアナアの状態になっていたからだろう。
俺も自省が必要だな。
「推奨しないと明言する必要はありません。
それでは肩身の狭い思いをしますからね。
法で認めて、肩身の狭い思いをするなら決めないほうがマシです。
ただ養子に関しては、私が決めるより議論してもらうべきでしょう」
アーデルヘイトは微妙な表情だ。
俺らしからぬ発言に思えたか。
「なんだか歯切れが悪いですね」
「今回に限りませんが、このような感情に直結する問題の扱いは、歯切れが悪くなります。
下手な表現が、大火事になりますからね。
表現ひとつ間違えれば優遇となり、対立が深まります」
「優遇になりますか?
ただ認めるだけですよね」
その認め方が問題なんだよなぁ……。
乱暴に打ち切るのはよくないな。
丁寧に説明するか。
「マイナスをプラスではなく、ゼロにするには、慎重な配慮が求められます。
まず……認めたことを公表する。
これはどうですか?」
「問題ないと思います」
「では……『認めたのだから嫌ってはいけない』と公布することは?」
「難しいですね。
内心に踏み込んでいるように思えるし、ただ表面的な言動を禁じているように思えます」
「そこが難しいのです。
ただ内心で忌避するのは、問題ありません。
踏み絵を踏ませるなど以ての外でしょう。
同性愛を認めました。
同様に認めない人がいることも受け入れるべきです。
迫害をしてはいけません。
ですが嫌うことまで禁じるのは、おかしな話でしょう。
あくまで趣味趣向の違いと考えるべきです」
アーデルヘイトは難しい顔で首をひねっている。
「とっても難しいですね。
ええと……。
旦那さまは、私の筋肉趣味になにも言いませんよね。
これが理想ですか?」
「アーデルヘイトが私に同じ趣味を強要してきたら困ります。
私がアーデルヘイトの趣味を否定して……止めるように強いるのもね。
趣味が違うなら棲み分ければいい。
排除する理由にはならないだけです」
アーデルヘイトは妙に感心した顔でうなずいている。
「なるほど~。
あ……。
でも同性愛者は嫌いだからと雇わない人がいたら罰せられますか?」
結構鋭い問題をついてくるな。
「罰する必要はないでしょう。
ただし同性愛者が、その雇い主を嫌って避けることも認められて
「それだと少数の同性愛者は不利ですね。
それは問題ないのですか?」
アーデルヘイトも成長したなぁ。
そこまで、考えが及ぶようになるか。
「普通と違う趣味趣向であれば、そこは甘受すべきでしょうね。
だからと……それで生きていけないのは問題です。
その場合、認めるとした以上は、統治側で、食い
公平かと言われると怪しいですけどね」
「たしかに優遇っぽく見えますね」
「でも職業選択の幅は狭いのです。
単純な優遇とはなりません。
そして同性愛者には、ふたつの道があります。
それでも偏見を解くよう努力するか、同じような人たちで固まるか……。
どちらかでしょうね。
少数が多数と共存する場合、少数が譲歩する点は多くなります。
それを拒否しては支配となるでしょうね」
アーデルヘイトは苦笑する。
このあたりの論理は俺が散々言ってきていることだ。
よくわかっているだろう。
「多数が少数を無視して、認めないのは窮屈ですけど。
少数の都合を多数に押しつけるのは酷い支配ですね。
」
「そもそもの話ですが……。
同性愛者では少数の立場だったとしましょう。
ですがラヴェンナ市民としては多数の場合、少数と対等になるほど譲歩しますか?
完全に同等なら、すべてのケースにおいて同等を認めないとおかしいのです」
「旦那さまは、都合のいいときだけ都合のいい条件を持ちだす人のこと……大嫌いですよね。
でも……フェアな人は滅多に居ないと思います。
そこまで堂々とやる人はいませんけど、都合が悪くなると黙る人は多いですから」
「例外的にはいると思います。
例外だからこそ考慮から外して考える。
少数は多数に対して多めに譲歩するのが基本的なルールでしょう。
少数と多数の差を完全になくすと、対立が激化します。
それを狙って少数の権利を擁護する人はいますが……」
アーデルヘイトは不思議そうに首をかしげる。
この手の
「どうして……そんなことするのですか?
対立したら、少数の権利が守られるかも怪しいじゃないですか」
「対立がないと擁護する人の発言力が落ちるからです。
永久に争ってくれたほうが都合はいいからですよ。
敵を作って対立を決定的にすれば、自分の味方は固定されますからね。
擁護はただの建前で、自分の都合だけを考えているからですよ。
都合が悪くなれば、利用していた人をあっさりと捨てます。
むしろ『いままで協力していたのだから感謝しろ』と言って開き直るでしょう」
アーデルヘイトは頰を膨らませる。
この手の話は嫌いだろう。
「酷い話ですね。
そんな人は嫌いです」
「好きな人は同類にしかいませんよ。
それすらすこしでも意見が異なると、いがみ合いますが。
自分がすべての自己愛で構成された怪物ですから、当然でしょう。
幸いイポリート師範は慕われています。
そこまで忌避感はないでしょう。
なんとか丸く収まると思っています」
恐らく同性愛者の就職先は、芸術関係がもっとも多いだろう。
通常の枠では囚われないのだ。
すべての職業で、均等に道は開かれるとしては、内心までの干渉になる。
そもそも不公平につながるだろう。
「認めるのって寛大でいいことのように聞こえますけど……。
とっても難しい問題ですね」
求める側は、そこまで考えないだろうが……。
認める側は考えなくてはいけない。
それだけ難しい問題なのだ。
認めないのも、ひとつの手だが……。
それも含めて、皆の議論に委ねたいと思っている。
ただし亜人を差別しない以上、同性愛者は別と出来るのか。
議論は紛糾するだろうな……。
「軽々に善意だけで決めてよい問題ではありませんからね。
では次に『社会は、これを積極的に認めるべき』はどうでしょう?」
アーデルヘイトは強く首をふる。
これはすぐにわかる話だな。
「これはダメですね。
そもそもどうやって、積極的に認めるのですか?」
積極的に認めるとした場合、当然の疑問だ。
考えられることは、ある程度決まっている。
「『演劇で同性愛を主体にした物語を数多く上演して、啓発を進めるべし。
同性愛者は主役として優遇する必要もある。
社会的な不利益があるのは、平等とは言えないので出世させるべき。
これに不満をもつことは差別であり、人道に反する行為だ』
とまあ……このようにすれば、積極的な容認となるでしょうか」
このような発言が非難されない社会は、集産主義社会になっているだろう。
全体主義としたほうが正しいか。
すくなくとも自由は
反対者の自由を圧殺して疑問に感じないのだから。
自由と平等を掲げる全体主義。
手の施しようがないな。
醜悪なこと極まれりだ。
違うか。
誰も違和感をもたないなら、人々にとってはお似合いの社会なのだろう。
自由とは、考えることを止めた者にとって隷属の鎖へと変貌するのだから。
ラヴェンナにはそうなってほしくない。
アーデルヘイトの顔が引き
当然ながらアーデルヘイトの感性は健常だ。
違和感に気がつくだろう。
「これって反感を買うだけですよ。
演劇だって不必要に、役を変えるのは変でしょう。
しかも啓発が目的の演技なんて、絶対面白くありません。
醒めますよ。
これって同性愛者も困るのでは?」
見えない敵意に
自分たちを認めろと強要されれば、誰だって反発する。
押しつける側にとっては気持ちよいだろうが……。
結局それは、押しつける側の自慰行為でしかない。
自慰行為は、隠れてひとりでやるものだろう。
大勢に見せつけるのは変態に収まらない。
ただの狂人だ。
「でしょうね。
そのような優遇など望まないでしょう。
あくまで他の市民と同様の権利を望むだけです。
ただ……歯切れのいい回答は、得てして過激なものですよ。
白か黒、善か悪でね。
たまには明快さもいいでしょうが……。
人が安住するのは、曖昧な場所ですよ。
安住出来なくなったか、刺激や娯楽を欲したときに、明快さを求めるだけです」
アーデルヘイトは困惑顔で腕組みをする。
「旦那さまの話は、難しくてついていけないときがあります……」
「そうでないと感情の生き物である人は耐えられません。
曖昧さとは、感情の揺らぎを許容することでもありますからね。
すべてが曖昧では問題ですが」
突然モルガンが笑いだした。
当然皆は、驚いた顔になる。
「まるで長老の説教ですね。
若者の口からでる言葉ではありません。
若者なら情熱的で白黒ハッキリさせますから。
経験と共に色が増えて描く言葉も曖昧になっていきますがね」
余計なお世話だ。
このときばかりは、俺以外の心はひとつになる。
つまり皆が薄情にも笑うことだ。
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