第5話
゛ガラガラガラ〟
と、扉を開けて入って来たのは先生ではなく女の子だった。
『あっ⁈』
朝ぶつかった子だとすぐにわかった。
その子は黒板を見ることもなく、スタスタと歩いて、空いてる窓際の1番後ろの席に座った。
回りの目もあまり気にしていないようだ。
その子が席に着くと同時に
「おはよう‼︎」
と、前の扉から先生と思わしき人が入ってきた。
そして、すぐさまに黒板に名前を書き始めた。
【杉山大地(すぎやまだいち)】
「えーぇ、今日から1年1組の担任になる杉山大地だ。先生も今回が担任を持つのは始めてとなるので、ある意味君たちと同じ1年生になる。みんながこれからの学校生活をより良いものにできるように支えて行くのでよろしくな‼︎」
担任の先生は一言でいうなら、熱血そうな感じだ。背も高くガッシリしている。黒髪の短髪で、肌はまだ4月だというのに少し黒く焼けている。
「早速だが、みんなに軽く自己紹介をやってほしい。先生もそうだが、君たち同士もお互いを軽く知っておきたいと思うしな‼︎」
まさか高校生にもなってみんなの前で自己紹介をすることになるとは…
自己紹介苦手なんだよなぁ…
そんなことを思っていると
「じゃあ、1番窓際の相原君からよろしく‼︎」
もう始まるのかと思ったが、間髪入れず
「はい‼︎相原勝也です。この学校にはサッカーをやるために推薦で入学しました。勉強はそこそこ頑張ります(笑)ちなみにクラスの団結を深めるために、今日の放課後みんなとカラオケ行きたいんですけど、先生いいですか?」
と、勝也が100点に近い自己紹介をしてきた。
マジ勘弁してくれよ…
「おぉ‼︎良い自己紹介だったな‼︎でも、最初からハードル上げるとあとの子たちが、大変になるからな(笑)あと、カラオケの件だけど行くのは自由だが、サッカー部は今日から練習あるから相原はカラオケ行けないぞ(笑)」
「やべっ、そうだった。じゃあ、また後日にしときます(笑)」
この2人のやりとりで笑い声に包まれて、クラスの空気が一気に和んだ。
さすが勝也だ。
良い仕事をする。
そして自己紹介もスムーズに進んで行き、あの子の番になった。
君と過ごす何気ない日常(仮) @benizakura1210
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