気づけば異世界の只中。触れてしまったのは神聖な鏡。宿してしまったのは神の力。
ヒロインの志乃は状況を理解する間もなく捕えられ、異能の後継者争いに巻き込まれています。さらには妖怪たちに狙われ、日ノ倭国の掟に縛られながら、自由を求める日々が始まります。
この世界の風景は美しい。しかし人々の視線は厳しく、簡単に信用を得ることはできません。志乃の「神力を手放したい」という願いはそう単純ではなく、この世界にとってそれがどれほど重大な意味を持つのか、少しずつ明らかになっていきます。
志乃の周囲には彼女を利用しようとする者や導こうとする者、そしてただ純粋に助けたいと願う者がいます。最初こそ反発し合いながらも、少しずつ関係が変化していく晴時とのやりとり。それぞれの思惑が絡み合う中で、志乃が何を選び、どのようにこの世界と向き合っていくのかが、物語の大きな軸となっています。
触れてはならない力を得た少女が、否応なく運命に巻き込まれていく物語。日ノ倭国に潜む闇と、それに抗う人々の姿が交錯する中で、志乃がどんな未来を掴むのか、その行方を見守りたくなります。