第4話
俺と勝也、そして沙希は家が隣同士だ。
だから生まれた時からお互いを知っている。
腐れ縁と言っても過言ではない。
もちろん親同士も仲が良い。
沙希はアッシュのシルバーかかった髪の色にショートカット。ピアスも何個か空いている。
初対面の人からしたら近寄り難いかもしれないが、気さくでいい奴だ。
しかし、いくらこの学校の校則が緩いとはいえ初日から目立ちすぎだろと思った。
アッシュの髪の前は赤色だったからまだマシな方なのかと考えたが、今の色も十分奇抜だ。
回りよりかなり浮いている。
「ねぇねぇ、なんで今日先に学校行っちゃうのさ?」
「沙希の支度が遅かったからだろ?てかレンレンって呼ぶのやめろよ。」
「私にとって、レンレンはレンレンだよ‼︎」
ダメだ…会話にならない…
こんなやり取りをしても余計に目立つだけだ。
「そうそう‼︎早速友達できたよ‼︎こっちが陽奈(ひな)ちゃんで、こっちが茜(あかね)ちゃん‼︎」
「初めまして。吉岡(よしおか)陽奈です。よろしくお願いします。」
陽奈ちゃんはそう言って俺に挨拶をした。
「初めまして。相馬(そうま)蓮です。こちらこそよろしくね。」
陽奈ちゃんはとても真面目そうな感じだ。黒髪のロングで黒縁のメガネを掛けている。
清楚系と言った方がいいのだろか⁈
背も高くてスラリとしている。
「初めまして‼︎見城(けんじょう)茜です‼︎名前呼び捨てでいいからね、レンレン‼︎」
「あ、あぁ、よろしく。」
茜ちゃんは一言でいえばギャルだ。
明るい茶髪に、沙希と同じ様に何個かピアスも空いている。
背はかなり小さいか⁈沙希も150㎝ちょいしかないが、茜ちゃんはそれより小さい。
150㎝あるのか⁇
と、思っていると
「ちなみに私はギリ150㎝あるからね‼︎」
と茜ちゃんが言ってきた。
心が見透かされてるのかと思ってギクッとした。
「ちなみに陽奈ちゃんと茜ちゃんは同じ中学だったらしいよ‼︎」
どうして沙希がこの対照的な2人と仲良くなったのかと不思議に思ったが、同じ中学なら納得がいく。
しかし、こんなに早く打ち解けられる沙希が素直に羨ましい。
勝也といい、沙希といいコミ力が高い。
「あとで勝也にも紹介しとくぅ。」
と、沙希が言うので
「ハイハイわかったよ。」
と言って適当に返事を返した。
「もう‼︎」
と沙希が口を膨らませた瞬間チャイムが鳴った。
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