第3話



教室の扉を開けた途端、一斉に教室内にいた生徒の目がこちらに向けられた。


あれ⁈教室間違ったか⁇

と、思ったがそんなことはない。


『ヤバっ、カッコ良くない⁇』


『あーぁ!アイツ噂の奴しょ⁈』


うん。まあ、この反応はわかってる。

勝也のことだ。

中学時代から他校での女子の間ではイケメンで有名だったし、サッカーの実力も相当なもので、この学校も推薦で入学した。


そんな声も気にすることなく勝也は黒板を見て、

「俺の席どこだ⁇」

と言って探し始めた。


でも、見当は付いている。

何故なら苗字が相原(あいはら)だからだ。

よほどなことがない限り、出席番号は一番最初だ。


案の定一番前の窓際の席が見つかり

「あっ、ここだわ。じゃあ、またあとで‼︎」

と俺に手をひらひらさせて席に着いた。


よくよくクラス内を見渡すと、ほとんどの席が埋まっている。

そりゃ、教室に入れば注目もされるかと思いつつ

もう一度黒板を見返すと…

「あっ‼︎レンレンだ‼︎」

という声が聞こえてきた。


『げっ……。』

この声は…と、思い振り返ると、そこにはもう一人の幼なじみの小早川沙希(こばやかわさき)が手を振っていた。

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