第2話
高校1年 4月
入学式が終わり教室までの廊下を歩いていた。
式のことを思い返していても校長先生の話は長かった。
なんで校長先生と呼ばれる人は皆話が長いのか…
要点をまとめて話してくれればいいのにと思っていると、「おう︎‼︎」と後ろから声を掛けられた。
振り返ると親友の勝也(かつや)がいた。
「一緒のクラスだな︎‼︎」
そう言って俺の肩を組んできた。
「そうだな︎。またよろしくな︎。」とありきたりの返事をする。
勝也は俺の幼なじみだ。
自分と違いスポーツも勉強もできる。おまけに高身長で性格も良い。ハッキリ言って欠点がない。
羨ましくは思うが、勝也のようになりたいと望んだところでなれるわけがないので今の自分を受け入れている。
前に勝也が『お前はもっと思ってることを表に出したほうがいい。寡黙とクールは違うぞ(笑)』
と言われたことがある。
それはそうかもしれないが、俺には俺の付き合い方がある。勝也みたいに初対面でもすぐに打ち解けられる術はない。仲良くなるまでが大変なのである。
2人で話しをしながら教室へ向かってを歩いていると、ドンッと人にぶつかってしまった。
咄嗟に「あっ、ごめん。」と俺は言った。
しまった…前を見ていなかった。
「………。」
その子は軽く会釈をして先に行ってしまった。
ヤバイ、怒らせたかな…
「可愛い子だからってわざとぶつかるなよ(笑)」
と、勝也が言ってきた。
「いや、ちげぇよ。単純に前見てなかったんだよ。確かに可愛かったけど…」
「可愛いことは確認してたんだな(笑)」
「うるせぇよ‼︎」
そんな会話をしながら俺たちは教室に入った。
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