君と過ごす何気ない日常(仮)

@benizakura1210

第1話

『大好きだったよ…』


そこでハッと目が覚めた。

なんで今更、昔のことを…

そう思って枕元の時計に目をやる。

「まだ朝の4時か。」

そう、呟きながら、喉が渇いたので、リビングへ行き冷蔵庫を開ける。

そしてペットボトルに入った水をゴクゴク飲んだ。

寝る前に入れたばかりなのでまだあまり冷えてはいない。

それでも水道水をガブ飲みするよりまだマシだ。

半分ぐらい飲み終わったところで僕は「ふぅ〜」と一言息を吐いた。


嫌な夢を見た原因はなんとなくわかっている。

リビングの机の上にある封筒のせいだ。

手に取って窓から射し込む月明かりに照らしてみる。

と、同時に『ニャー』と飼い猫の鳴声がした。

「ごめん、ごめん。起こしちゃったね。」と言いながら、僕はしゃがみこみ猫の頭を撫でた。

猫が気持ち良さそうにして僕の足に擦り寄ってきて『もっと撫でろよ。』と言わんばかりに見つめてきた。

仕方ないなぁ〜と思いちょっと強めに頭を撫でた。

すると満足したのか何も言わずに寝床の方に戻って行く。

全く持って自己中な奴だ。

いや、猫はみんなそんなもんか。

そしてもう一度封筒を眺めてみる。


「もう10年か…」




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