第3話 BLという概念は…?
ひそひそと周りが何かを話している…だが気にしない。というか気にならない。私はそういう性格なのだ。大失敗もすれば大遅刻もする。昔、海外のチームに移籍してその歓迎会に2時間もの大遅刻をしてしまった。来た時には終わりかけており案の定その5分後にお開きなり、結局なんの席だったか分からなかったなと周りは呟いていたことがあったな…。 でもまぁ…普通でしょ? すると私を面白がってか数人の女子たちが話しかけてきた。
「あなたが家壊したごじらちゃん?うけるー(笑)」
「マジすごいじゃん!」
うけるー… 「あ、どうも。」
「え、何その反応…なーんだもっとおもしろいやつだと思ったのにー、いこ!」
あー、まあいいか。いつも通りである。私、松井…じゃなかったアシュリー(なんとなく気に入っている)は人付き合いが苦手というわけではないがあまり必要がないと考えている。しかし、あのように面と向かって言われるのは少し傷つくね…せめて陰口であれば…ね。
授業はつまらなかった。なぜなら小学生の内容だからね。
放課後になり私は部活の準備をしていた。特に規定はないが顧問の許可を得れば入部ができる。それがこの学校のルールらしい。私は先日の一件で即入部が決まっていた。そしてちょっとした挨拶があり、本格的に練習が始まった。
私の実力はバッティングしか知られていない。だから当然ポジションの問題が発生する。
「実はものすごいピッチングするんじゃないのか?」
「150キロの豪速球だったりしてな…」
などと部員たちからの期待の声もあがっているが残念。外野希望である。なぜなら外野手をしていたからである。幼少のころはピッチャーやキャッチャーもしたことがある。それにプロには、元々内野手で入団している。たまたま肩が強かったから外野手に回されたのだがそれ以来気に入ってしまったのだ。まあ、何かあった時には他のポジションもやってみようかな?
「それじゃあ、守備練習始めるぞ!全員守備につけ!」
顧問の一言で練習が始まった。私は結局センターを守った。はじめは内野手からそして外野に、私の番が回ってきた。
「おら!センター!かきーん!!」
顧問がセンターフライを打ち上げた。どうやらうちの顧問は擬音を口にする人らしい。
流石に簡単なフライだな…プロに比べてぬるいな。プロの頃のキャンプで永島監督のフライの方がよっぽど酷かった…ある時はピッチャーフライの距離まで走らされて、
「守備範囲だろ〜!!はぁ?!」
などと喝を入れて頂いたことがあった。
とりあえず捕球し投げ返した。その球は外野の距離から内野へ、マウンドへ、ホームベースへとノーバウンドでものすごい速さで返ってきた。あまりの速さにキャッチャー役の人は取ることを放棄し、ボールから逃げてしまった。
「あ…やってしまった。」
つい、力んじゃった★
「な、なんなんだ…」
顧問は手に持っていたバットを落とし驚いていた。
「なんだあの速さ…」
「取れないだろ…」
「ゑ」
またもや部員たちから恐れられてしまったのかな…
結局、昔のように退部は免れたものの守備をさせるのは危ないとのことでDH要員になりました。どうやらこの世界の野球はどのレベルでもルールは一律のようだ。指名打者ルールがあるということは全てのリーグであるということらしく、まあ、その制度のお陰で残れたようなもので感謝感謝である。ちなみにグラウンドの広さ、距離、バッドの種類などには各リーグ変化があるとのこと。
まあ、いずれレベルが上がることに私も守備をさせてもらえるだろう。少しずつ練習しておこう。ちょっとした目標ができた。
練習が終わり、最後に顧問からお知らせがあった。
「今週末、練習試合を行います。相手はBL学園です。そのつもりで!」
BL?ボーイズ… 私が良からぬことを考えようとしていた時に周りから驚きの声が上がっていた。
「マジかよ…」
「絶対負けるって…」
「去年全国2位の強豪だぞ…」
「BLって意味は知らんけどなんだか強そうな雰囲気な名前だよなー」
そこで私は思った…
「あ、BLって概念はなさそうですね(安堵)」
元プロ野球選手による異世界ゴジラ戦記 ポコちゃん @poco-chan525
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