終盤、この物語が予測できない展開を見せます。人の気持ちについて、この物語を通して改めて考えさせられました。
タイトルが良いです。この尺にも関わらず、これだけ大きな物語を広げ、また落とし込むことが出来るとは、なかなかの手練れ。うつくしく、やさしい日々を、読む人の心もしっとりさせながら描き、そして余計なフラグは分からないように隠してあります。現実に起きている事象をネタに使うと、後年読み返したときに普遍性が失われやすいので、避けたほうがよいこともありますが、本作の場合はコロナ禍を上手に取り入れているとおもいます(^^)
ふつうの恋愛小説かと思いきや、ラストのドンデン返しに驚きました!なるほど…。たしかにこのシステム、アリかもしれないですね。このコロナの流行の2020年も、ラストにうまく落とし込めています。世にも奇妙な物語を見た後のような読後感でした。
短編で非常にサクッと読めました。人の記憶に干渉する、と言えば私は”to the moon”という海外のフリーゲームを思い出しますが、そのゲームにもこの作品にも言えることは、過去(結果)が変わるわけではない、ということです。それがなんとも切なくていいですね。