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 よしみとふゆは相変わらず休み時間に彼氏との性行為の話をしていた。わたしは飽きてしまって、黙って教室を出た。二人が追いかけてくることはなかった。階段を上った。屋上の扉の斜め前に空いた空間があってそこに腰をおろす。ここは死角にだから見回りにきた教師にバレることがない。少しすると涼が来た。


「今日は暑いね」


 彼女は今日の青空のようなさわやかな笑顔で言った。


「ね」


 彼女はわたしの隣に腰をおろし、ぴったりと寄り添った。


 チャイムが鳴った。次は生物の時間だ。クラスメート達は昨日の続きで、ショウジョウバエの遺伝子について考えている。わたしは涼と舌を絡ませていた。お互いの汗でお互いを溶かしそうな暑さと、頭の中が沸騰しているせいで、涼がぼやけて映る。舌を絡ませるたび何度も何度も頭の中が真っ白になる。涼が唇を離せば、空白の世界が終わる。横に並んで、わたしたちは手を繋いだ。


 先の未来を考える反面、この関係がずっと続けばいいなと考えていた。涼が今の彼氏と別れて、他の彼氏ができて、いつか結婚してしまっても、いつまでもわたしのことを可愛がってくれて、キスしてくれればずっと生きていける気がした。寂しくなんてないし都合のいい存在でもいい。わたしにはこういう形が一番適切で、幸せだからだ。

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キスフレ 霜月ミツカ @room1103

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