少し不思議な短編集

あきハル

夏の風物詩

私のおじぃは夏になると何でもかんでも

「風物時だねぇ」と言う

大きい入道雲向う側で雷がゴロゴロ鳴っても

「風物時だねぇ」

セミがミンミンうるさくても

「風物時だねぇ」

猫のコタが暑さでだらけ仰向けで寝てても

「風物時だねぇ」

死んだおばぁがお盆になって帰ってきても

「風物時だねぇ」

私が突然の夕立ででびしょびしょに濡れてもやっぱり、おばぁと一緒に笑いながら

「風物時だねぇ」


...風物時じゃないものはないのだろうか

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少し不思議な短編集 あきハル @nxgxo-121

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