10月25日 ドリフターズ

 ど : どてら着た

 り : 立派なサムライ

 ふ : 深編笠ふかあみがさ

 た(ー) : 立役たちやく素敵

 ず : ずっこけないよ


 先日、ご縁があって、歌舞伎のオンライン公演を見ました。


「通し狂言 命懸歌舞伎ノ道筋いのちがけかぶきのみちすじ 三升先代萩みますせんだいはぎ


 市川海老蔵さんが早変わりで8役を演じました。一番最初は、どてらを着て深編笠をかぶったサムライの役でした。立役(男性役のこと)だけでなく、女形(女性役)も演じたんです。イリュージョンのような早変わりです。


 江戸時代、歌舞伎は庶民の娯楽だったから、きっと私たちがアイドルを追っかけてライブを見ているようなものですね。ラップのようなところがあったり、歌あり、芝居あり、衣装も素敵。タイムスリップの小説を書くのが好きな私は、江戸時代にタイムスリップして町娘になって推しを応援している気分になりました。つい、掛け声(大向こうというらしい)をかけたくなります。


成田屋なりたや!」


 海老蔵さん、かっこよかったですよ。「荒事あらごと」という、派手でダイナミックな演技は、初代市川團十郎が始めたもので、市川家に受け継がれているものだそうで、海老蔵さんのあの目力は、見得みえをきる時、ド迫力で決まるんですよね。先祖代々、あんな目で観客を魅了したに違いないのです。それから、他の若い役者さんたちのアクロバティックな動きはA.B.C-Zもビックリです。すごい身体能力。


 何故、歌舞伎の話なのに、短歌がドリフターズ? と思うあなたは、若い方でしょう。ドリフ世代なら、わかってくださるかしら? 今回海老蔵さんの公演を見て、私たち世代の歌舞伎の入り口はドリフだということに気づいたんです! 加トちゃんがよく、歌舞伎ネタのコントをやっていたことを思い出しました。海老蔵さんが見得をきっているのを見て、加トちゃんが見得をきる顔を思い出してしまうという……(笑)。これをきっかけに加トちゃんの歌舞伎の動画を某サイトで探したら出てきました! 歌舞伎で天気予報をしたり、歌舞伎町のおまわりさんが歌舞伎役者の格好で出てきたり……(笑)。やっぱりドリフは面白いです。もしや、志村けんさんのバカ殿さまの白塗りは、歌舞伎から? と思って調べたら、大当たりでした。「8時だヨ! 全員集合」のなかでやった、「一条大蔵譚いちじょうおおくらものがたり」という歌舞伎の演目のパロディが原型となっているそうです。私、欠かさず見ていたのだけど、覚えてないわ……。

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