約束

「ひどい顔」

 ユキは、これ以上にないほどにシワの寄った笑顔を見せた。

「ユキちゃん、これはやっぱり甘すぎるよ。僕には合わない」

「おじさんは素直じゃない。本当は楽しいくせに」

「そうだなあ、今日のコーヒーは最高にまずかった。でも、また来ようって思ったよ」

「その調子」

「また来る時は、ちゃんと美味しいコーヒーをいれておくれよ」

「わかりました、美味しいパンとクッキーも用意しておきますね」

「それ、前回も言ってたよ」

「そうでしたっけ」

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コーヒーボランティア ささきゆうすけ @yusukesasaki

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