第二章 学園内トーナメント編

第7話 学内トーナメント

「なるほど……。つまり、あいつらはただの闇金なのかよ!」


俺はパソコンで寝ずに前日の不良たちについて調べていた。ここ、魔法都市オリオンでは技術が本土より発達していて(本土とは、日本のことである)パソコンに画像を挿入することができ、その画像を参考にあらゆるデータをGoogleで調べることができる。


「闇金なら、仕方ないのかなぁ。でも、なんでカグヤさんが闇金を?」


俺は後ろの二段ベッドの下で寝ているカグヤさんを振り向く。


「ま、考えても仕方ないか。明日の学内トーナメント……。絶対、勝ちまくって本戦(つまり、魔法大戦)に出場してやる」


上のベッドに入り、静かに目を閉じる。



「さぁ!今年もやってまいりました!魔法大戦出場メンバー決定戦!学内トーナメントが!」


周りの歓声がすごいな……と、感心していると隣にカグヤさんが座った。


「隣、座るわね」


「おう」


カグヤさんは冷静だ。まあ、自分が負けるとは思ってもいないのだろう。俺はカグヤさんに勝つと神社で誓った。簡単に落ちてもらっては困る。


「ええ、自己紹介を忘れていましたね。この度、このトーナメント戦において実況させていただくことになりました、西条朱莉さいじょうあかりでーす!そして、こちらが」


彼女が右の席の女性を促す。


「解説させていただくことになりました、ルータニアです。よろしく」


「こんな感じでやっていきますので、よろしくお願いしまーす!それでは、トーナメント表の開示!」


実況席の目の前からデカいウィンドウが出現する。それが回転してこちらを向いた。そのトーナメント表には……。


「カグヤさんと同じブロックではないのか……。ブロック内に副生徒会長がいるとか無謀にも程がある」


副生徒会長とは、3年の最高ランクのSランクでありながら、本戦に出場したことはないという。ちなみに去年、生徒会長に敗れて全校ランキング10位だったという。


このトーナメントでたしか、最終的なランクと全校順位が決まる……。5位以内に入賞して本戦へ出なければ。


「あら、あなたと同じブロックじゃないみたいね。まあ、不都合ではあるけど、お互い頑張りましょ」


「あったりめぇだろ。俺は負けてらんねぇからな」


「一回戦の相手、気をつけなさい。2年のCランクだけど、全校順位は100位以内に入ってる。という肩書きもあるわ。騎士は騎士でもあなたとは少し違うかな。まあ、頑張りなさい」


「じょ、情報ありがとう……」


騎士は騎士でも俺とは違う、か……。俺は騎士でもなければ剣士だからな。そりゃちげぇよ。


「お前が学年2位で1年Bランク、山野大知か。一回戦で1年と当たるなんて俺も幸運だな。よろしく頼む」


まさに騎士道って感じだな。俺に話かけてきた巨漢な男は俺の一回戦の相手だ。黒髪で筋肉ゴリゴリマッチョ。身長も俺よりある。かなり強そうな見た目だ。こちらに手を差し伸べてくるので。


「ああ。こちらこそよろしくお願いします」


俺もその手に反応して握手を交わした。






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