第3話 特訓授業②
「ここが、生徒会室ねぇ」
「すごい立派ですね」
俺は沙耶先生に案内してもらって、生徒会室へ到着した。生徒会室は東校舎3階にある。生徒会室のドアから真っ直ぐ一番離れたところにある机が生徒会長の座る机とみた。
「なかなか広いんですね……。机の設置の仕方も、四角みたいな感じでなかなか良いですね」
「そうかなぁ。あ、左側のドアを開けてごらんなさぁい。そこに、あなたに渡す武器があるのよォ」
「ここ、ですか?し、失礼します……」
そこは一見何も無さそうな真っ暗な部屋だった。しかし、沙耶先生が部屋の電気を付けると、目の前に無数の画面が表示された。
「この中から、好きな武器を選んでねぇ」
「すげぇ……」
俺はここにある5つの武器を眺めていた。画面に表示されているステータス等を見て、水の魔剣とやらを使いたいと思い、水の魔剣の画面を引き寄せて排出ボタンをタッチする。すると、真下にあるガラスでできた箱の上が開いて水の魔剣が中から外へ浮いた。
「これが、魔剣……」
「そうよぉ。あなた、剣士みたいだからぁ。この学園独自で開発した新武器である、5つの属性分作った魔剣を試して欲しかったのよォ。どう?気に入ったぁ?あ、言い忘れてたけど、魔剣は自ら主に相応しい人を選ぶわぁ。気に入られるといいわねぇ」
それを言われて安心して魔剣を手に取ることができなくなり、恐る恐る触れようとする。しかし、あと一歩のところでいきなりバチバチ電気が発生し、俺を拒否するかのように吹き飛ばした。
吹き飛ばされた俺は、勢いよく尻もちをついてしまった。
「あらぁ、水の魔剣ちゃんはあなたん拒否したみたいねぇ」
「じゃ、じゃあ……。闇の魔剣で……」
言い忘れていたが、5つの属性とは即ち、火・水・木・光・闇のことである。
しかし、またしても電気が発生し俺を拒否する。なんなら俺を許してくれるんだ……。
「これが、最後です。火の魔剣で」
火の魔剣を手に取ろうとする。頼む、今度こそ、成功してくれ。
心の中でそう念じながら、火の魔剣を捕まえる。なんと、電気は走らず、俺の手の中に収まった。
「おめでとうございますぅ。じゃあ早速、特訓授業で使いましょぉ。走りますよぉ」
「あ、置いてくなんて酷いですよ先生!ちょっと待ってください!」
こうして、俺は魔剣を手にすることに成功し、その力を試すことになった。
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「はぁい。そこまでぇ。勝者、『山野大知』くん」
「はぁはぁ」
魔剣を振り回すのにこんなに魔力を使うなんて知らなかった。しかし、この強さは異常だな……。魔法を簡単に斬りやがるんだからこいつ。
魔剣の形状はSF作品に見られたレーザーを伸ばしたような剣であった。そして、その色は赤。そこに魔力充填をすることにより、火の魔力が込められ、すごいパワーアップするのだが、この強さは異常すぎる。
「なんてったって、魔法をつえのように放つことも可能なんだからなぁ……」
こうして、現在クラスメイトからは三連勝している。そして次の特訓相手が、ルームメイトであるカグヤさんだった。
「ずいぶん強い剣を手に入れたみたいね。でも、私には勝てると思われちゃ困る」
彼女はなにも魔装を出現させてない。どうやら、体術かなにかを使うらしい。あくまで予想だが。
「ふっ。この魔剣、ほんとに面白い。日本刀より使い勝手は悪いけどね。お手並み拝見と行かせてもらうよ、カグヤさん」
俺は剣の持つ部分にあるスイッチを押してレーザーを出す。これで準備は完了だ。出した時に魔力充填をさせたからだ。
「では、はじめ!」
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