せめて普通の階段を上りたい

先日、障害年金受給の準備として、発達障害の検査を心療内科で受けました。知能テストみたいなやつとか、いろいろありました。

その検査をしてくださった心理士のかたが結構感じのいい人で、自分(大沢)が頑張って答えたらこまめに褒めてくださいました。それに、そのかた自身、「人間の心を扱う」という専門的かつ高度なスキルを持ったかたであるはずです。

そういうかたに検査していただいた後には、

「自分も本当は聡明な人間だから、やっぱり高度な頭脳労働(ただし文系)をやるべきではないか?」

という自信が湧いてきました。

そういう人と常に関われていたら、上りのエスカレーターを上るみたいに、もっと楽に成長できるかもしれない……と思います。


一方、実家で両親と過ごしていると、下りのエスカレーターで頑張って上を目指しているような徒労を感じます。

父は新卒で入社した会社にずっと勤めていて、母も腰かけ就職から結婚した後はずっとパート主婦をやっていて、少なくとも自分から見て、あまり高度なスキルを身に付けているようには見えません。

加えて、二人とも他人(それこそ我が子でさえ)を貶める癖があるので、彼らと関わっていると、どうにも自信やモチベーションが下がります。

そういう人たちと生活していると、成長の後押しになるいい刺激が得られないどころか、彼らと同じレベル(あるいはもっと下)に引きずり降ろしてくる嫌な力がほぼ常にかかってきます。


自分はあまり積極的に人と関わらないほうなので、「上りのエスカレーター」には、これからもたまに乗るだけかもしれません。

それでもせめて、成長の足を引っ張ってくる「下りのエスカレーター」を降りて、「普通の階段」を上りたい。ときどきそう思っているのですが、最近やっと、それを実現する努力を始めました。


このお話から、「下りのエスカレーター」に囚われているかたが、まずはその自覚だけでも得てくだされば幸いです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る