「受けて立つぜ!」

災害とか悪天候とかの、マイナスの環境要因があっても、少なくとも自分の命が脅かされていない時に自分は、

「受けて立つぜ!」

みたいにわくわくすることがあります。

そういう心理はちょっと危険だなあ……というお話です。


自分の地域は先日梅雨入りしたため、頭がぼーっとしたり集中力が落ちたり……といった不調を覚える日が増えました。

最近ではそういう日に自分は、低気圧の不調を和らげるツボを押すなどの対処をしています。そういう対抗策を取ることを、楽しく感じることがあります。


不謹慎を承知で申し上げると、天災などの極限状況が発生しても、それがまだ「遠くの出来事」にしか思えない段階だと、自分は不思議とわくわくしてしまいます。それに対抗できる「しっかりした自分」を想像・意識してしまうからです。

例えば東日本大震災の時、ニュースで被災地の様子が連日伝わってきても、自分が住んでいる地域は揺れや津波に襲われてませんでした。その頃の自分は、自らが震災に巻き込まれた場合のサバイバルを想像して、正直わくわくしました。

このコロナ禍の中でも、去年の春には、自分の地域ではまだ散発的に感染者が発生するだけでした。その頃の自分は、感染リスクを下げるために自宅から徒歩30分圏内だけでコンパクトな生活をすることに、楽しさを感じていました。


しかし、その手の危機が身近に迫ってくると、一気にわくわくよりも恐怖が上回ります。

例えば熊本地震の時は、自分が住んでいる地域も多少揺れたので、「夜寝ている時に地震で倒壊した家に潰される」という死にかたがよりリアルに想像できました。

また、最近コロナによる医療のひっ迫が自分の地域にも迫ってきたため、「コロナにかかったり他にも大きな病気や怪我したりしたら助からないんじゃないか?」という恐怖でいっぱいいっぱいになる時がありました(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895092612/episodes/16816452220283028897)。


後者の、恐怖に支配された状態だと、人間はパニックに陥ってしまいやすいです。

だから、極限状況に対して「受けて立つぜ!」みたいな変な自信を持っていると危険である。パニックに陥りうる自分の弱さを把握したうえで、冷静でいられる間に準備しておくべきである。そのことを、最近改めて感じています。

恥ずかしながら、自分もあまり本格的に備えてはいないのですが……。


この記事が、極限状況に対する人間心理の、よいサンプルになれば幸いです。

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