同じ土俵に上がってきたライバルと勝負する覚悟
昨日、電撃大賞受賞作「ユア・フォルマ」を読み始めました。
まだ読んだのは7割くらいですが、すでに読んだ範囲でも、
・ブレイン・マシン・インターフェイス(略してBMI。脳とコンピュータの接続のこと)が普及する一方、AI搭載のアンドロイドが「人間らしい」豊かな感情表現を持ち出している時代の世界観
・↑この世界観での新しいサイバー犯罪と、それに対する捜査
・幼少期の経験のためにアンドロイドを憎悪する人間の主人公(女性です)と、彼女の気持ちを解きほぐしていくイケメンなアンドロイドの相棒(男性型です)との葛藤と和解
といった「実現しそうな未来」がかなり緻密に書かれていて、完成度的にも物語の面白さ的にも、最大手のラノベ新人賞受賞作の貫禄を感じさせます。
同作を読んだことで、自分は正直、
「自分と同じ土俵に、これから続々とライバルが上がってくる……!」
という危機感を覚えました。
どういうことかと言うと、自分も、
・BMIやサイボーグ化などのテクノロジーによってアップグレードされた人間と、自我や豊かな感情を持つAIといった「新しい人間たち」の世界
が実現すると考えていて、それを題材にした物語を書こうと考えています(一応、前も書いたことあります)。
そういう物語を書けば、少なくともオリジナリティは余裕で出せるだろう……というおごりを、正直持っていました。
なぜなら、世間の人たちの認識は所詮、
「(人間とAIの線引きがある前提で)AIなんて与えられた仕事しかできない道具だろ? 奴らに人間の仕事は奪えないよ」
といったレベルで止まっているだろう、と自分は考えていたからです。
しかしながら、「ユア・フォルマ」はまさに、自分が考える「新しい人間たち」の物語です。
「AIも新しい人間として認める!」というテーマの物語は、同作の前にもちょこちょこ見られました。同じテーマを持つ物語が最大手のラノベ新人賞を受賞したことは、その手の物語が一般化していくことの兆しかもしれません。
つまり、「新しい人間たち」の物語を描く人たち、いわば自分にとってのライバルたちが、これから増えていくかもしれません。
その中で勝ち残るためには、自分も「新しい人間たち」の物語に、自分だけの切り口から自分にしか書けない面白さを全力でぶち込むしかない。そういう覚悟を、「ユア・フォルマ」から与えられました。
シビアな世界で強力なライバルに直面している誰か、あるいは将来直面しうる誰かに、共感していただければ幸いです。
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