「天気の子」を見て悔しくなった件

先日「天気の子」を見て、現代の格差社会への風刺や、どこに行っても閉塞感しかない社会で幸せを掴もうとあがく主人公の姿に心動かされました。

また、その後同作へのいろいろな評論や考察をネットで読んで、作り手の意図したテーマやキャラの心理を表現するための細かい仕掛けが、同作の随所に盛り込まれていることを理解しました(論者の深読みしすぎもあるかもしれませんが)。


そういうインプットを受けて自分は、

「この作品に比べて、自分が考える物語はなんて浅いんだ……!」

という悔しさを感じました。

しかしそもそも、比較対象との実力差がありすぎるのかもしれません。

「天気の子」の監督・新海誠氏は、「君の名は。」で一般にも名が知られるずっと前からアニメ制作しているベテランです。自主制作アニメも含めれば、同氏はもう20年以上アニメ作りをやっています。

それだけの下積みがあるからこそ、「天気の子」のように深い内容があって、なおかつ商業的にも大成功する作品を作れるのだと思います。


一方で、自分が本気でプロ目指して小説を書き始めたのは、6年前です。

残念ながら今もアマチュアですし、世の中にひしめくいろいろなプロのクリエイター(ラノベ作家、漫画家、アニメ監督などいろいろ)に比べてまだまだ拙い、と我ながら思っています。もっと速く上達してもっと早くプロになった人もいるだろう、とも思います。

それでも自分も、実際に物語を創る経験を積み続けることで、創作の教科書を読んだり映画を見たりする「だけ」では身に着かない創作の技術を、少しずつ血肉にしてきました。

だから、6年前よりは格段にうまくなっていると自負しています。

(ビッグマウス覚悟で)言い換えると、自分も(というか、創作の腕を磨き続けている誰もが)新海氏のレベルに少しずつ近づいているのだと思います。


結局この記事で言いたかったことは、

・何事も、上達するには経験の積み重ねが必要

・だから、自分よりずっと上手い人を見ても腐らず、自分が今できる努力をこつこつ積み重ねることが必要

という、とても凡庸なことです。

その凡庸なことを長々語りたくなるほど、「天気の子」にはいろいろ考えさせられました。

そんな素敵な物語を創ってくださった新海誠監督に感謝をささげるとともに、自分も大沢朔夜にしか創れない物語を磨き続けるつもりです。


※2020/11/30、文中に書いた執筆経験の年数を間違えていたため修正しました。

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