自己主張ができないと損

自宅の裏には、父方の祖母がやっていた畑(だった草むら)があり、そこには手作りらしい粗末な物置小屋があります。

それの屋根が先月の台風で落ちていたため、屋根を乗せ直すのを、父に手伝わされました。


まず朝食後、用件の具体的な説明もなく「手伝え」とだけ父に言われたため、自分(大沢)は父に続いて裏の畑まで行きました。そこでやっと、何を手伝わされるのか分かりました。

そして父と一緒に小屋の屋根を乗せ直している間、梁の部分から錆びた釘が突き出ていたため、それで目を突いたり、他の部分を怪我しても破傷風にかかったりしないか心配でした(幸い無傷でしたが)。

自分はそれまで文句言わずに手伝っていたのですが、一応屋根を乗せ直した後はさすがに、

「こんなぼろぼろで誰も使わない小屋直すの?」

と突っ込みました。それに対して父は、

「いつか朽ち果てるのは分かっとるけど、朽ち果てすぎるのも……」

なんて、答えになってない答えしか返してきませんでした(後で考えて、父は祖母の思い出を大事にしたかったのかもしれないと思いましたが)。


その手伝いが終わった後で、

「無駄な作業のために、自分は失明や破傷風のリスクを冒したのか?」

という怒りがむくむくと湧いてきたため、(父が見ていないところで)自分は玄関の土間をばんばん踏み鳴らしたり、スリッパを床に叩きつけたりしました。


後から振り返れば、最初に「手伝え」と言われた時点で父に作業内容を確認したり、それで納得いかなければ断ったりしてもよかったのでは? と思います。

しかし実際に自分は、

「ぐちゃぐちゃ言い返して怒られたら面倒だし手伝っとくか」

という、「しぶしぶ」という気持ちで父に従っていました。

思えば今日のように、自己主張できないために、納得いかない指示に従って後からむかつくことが自分には何度かありました。

それが下手すれば身の安全に関わることもあるので、そういうことを断る強さがもっと欲しい……と、改めて思いました。

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