物語の価値は、(時にはネガティブな方向にでも)人を感動させることにある

さっき、カティンの森事件(第二次世界大戦中の、ソ連によるポーランド軍人などへの虐殺事件)を題材にした映画を見ました。

拘束され、何も知らされずに撃ち殺されて埋められていく人たちの姿を見終わった後、

「こんな抵抗できない状況で殺されることに、少年漫画の主人公みたいな「どんな状況でも諦めるな!」なんてガッツは通用しないな……」

という虚脱感に捕らわれました。


そこから例えば、「だから戦争はいけないんだ!」とか「それくらい絶体絶命の状況でも最後まで活路を探せ!」とかいった「正論」を持つのは受け手の自由です。

しかし、そういう「正論」だけが必要なら、政治の本とか自己啓発本とかだけがあればいいのであって、物語は必要ありません。

言い換えると、「正論」以外のいろいろなめんどくさい感情(例え悲しみや絶望であっても)を受け手に与えること。つまり、時にはネガティブな方向にでも受け手を感動させることに、物語の価値はある。

それを今日、やっと言語化できました。

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