モノマネなんてしたくねぇよ!

杏璃

モノマネなんてしたくねぇよ!

「お前モノマネしてみろ」

 「モノマネしろよ」

 「えっ!?な、なんで、ぼくが」

 「だってお前がいい出したんだろ」

 「僕はただ・・・」

 

 僕、仙波悠陽せんばはるひがモノマネをしなければいけない状況なっているのは少し前にさかのぼる。

 

 「み~な~さ~ん!聞いてください」

 「おっ!なんだ悠陽!」

 「僕はみなさんに言いたいことがある!」

 「なんだよ!」

 

 僕は、それなりにグレているやつらと関わっている。そいつらのアホさは異常と言っていいほどのアホだ。

 だから、唯一そのメンバーで勉強が出来る系の僕がいつもツッコミやブレーキ役に回っているんだけど・・・

 今僕は、常にツッコミ役なら誰しもが通るであろう道を通ろうとしている。

 それは、

   『僕もみんなみたいにボケだい!』


 「じゃー、言いますよ!」

 「早く言えよ!」

 「僕もみんなみたいにボケたい」

 「アッハハハ、えっ!?悠陽が、アッハハハ」

 「ヤバイウケる」

 「そんな、みんなで笑わなくてもいいじゃん!」

 「だ、だって!悠陽がボケ?アッハハハ、ヤバいツボッた」

 「心弥(まなや)笑いすぎ、で、でもウケるクスッ」

 「歩夢お前まで!!」

 

 今、爆笑しているのが駒井心弥こまいまなやこの中で一番のアホだ。ふざけたことが大好き。だが喧嘩は勝てるやつが居ないんじゃないかってほど強い。

 そして、冷静に突っ込んだかと思いきや自分も笑いだしたのは山村歩夢やまむらあゆむ

心弥よりは勉強は出来るらしい。そして、ごくたまに冷静にツッコミをするがあまり使い物にならない。ツッコミ所が少し違うのだ。アホとまで行かないがただのバカだ。だが、やはりこいつも喧嘩はバカ強い。

 

 そんな、二人とつるんでる俺はツッコミの毎日に疲れる日々。

 ある日の日常のひとこまをとってみても

 「なぁ、悠陽!俺と歩夢で漫才やるからみとけよ!」

 「えっ!?なんで?今まで昼寝してたじゃん!なんで、急に?それに、歩夢はいいのいきなり?」

 「どもー!」

 「い、いきなり始まったよ・・・歩夢もいきなりで良かったのね」

 「はいはい!拍手ありがとうございます。皆さま」

 「いや、観客僕だけだし拍手もしてない」

 「あっ、自己紹介しますね。僕が心弥と言いましてこっちが相方の悠陽です」

 「いやいや、僕は君の相方じゃないよ?君の相方は隣にいる歩夢でしょ?」

 「はい?悠陽?俺の相方はお前だぞ!」

 「じゃー、お前の隣に立ってるやつ!それは誰?」

 「えっ!?今ごろ気づいたん?俺の彼女やんけ!」

 「は?なんで、急な関西弁?それに、彼女ってなに?そー言う設定だったの?歩夢はそれで納得なの?いきなり漫才誘われてその立ち位置で」

 「何言ってんねんさっきから!」

 「いや、それはお前だよ!」

「いや~、それにしましても強盗って怖いですよね」

 「い、いきなり。そうですね」

 「僕、強盗の怖さを再現するのでそこで見てて」

 「う、うん。え?さっきも観客役だったはずなのに強制的に相方にされて、今も見てる人なのね!」

 

 これが毎日と言っていいほどある。だから、僕が今日は「ボケ」たいのだ!

 そー、二人に言うと二人は僕に聞こえない声で何かを話し合ったみたいでいきなり叫んだ。

 

    『悠陽を面白くしょう作戦!』

 

 「何言ってんの?」

 「俺らがお前の先生になってお前を面白くしょうてっ言う作戦だ。」

 「で?僕をどーするの?」

 「じゃー、俺ら二人でお題を出していくからそれにそったモノマネしてみろ」

 「えっ!?な、なんで、ぼくが」

 「だってお前が言い出したんだろ」

 「僕はただ・・・」

 「面白さの基本はまずモノマネだからな!」

 

 心弥それは多分違うと思うなんて言えねぇよ

 

 「では、悠陽くん、準備はいいかね」

 「心弥先生!」

 「なにかね?」

 「マジでやるんですか?」

 「あぁ、もちろん!だよな、助手の歩夢くん」

 「そのかたは助手なんだ・・・」

 「では、まず私からのお題」

 

 『女性の背後からう〇こ投げるやつモノマネ』

 

 「す、すいません!先生意味がわからないです!」

 「もー、だめ!次、次行くよ!」

 「は?」

 「歩夢くん、よろしく」

 「わかりました。」

 

 『ピ〇ール・・・』

 

 「ダメー!それは、いっちゃダメ!!」

 「なんで!」

 「なんでも!なにかとニュースで話題でしょが!」

 「コカイン?」

 「だから、言うなバカ!」

 「なんで?僕たちニュースなんか見ないから、中国紙幣をストローにしてたなんて知らないよ!ねぇー、歩夢!」

 「あぁ、知らないよ。ア〇雪のオ〇〇の声の人なんて」

 「いや、おめぇーら完全に知ってんだろうが!ほんと、やめて!危ないからそれ!」

 

 また、これだ。結局突っ込んでしまう。てゆか、あいつらがアホすぎるからいけないんだ。

 僕にだってボケる隙をくれ。 

 

 

 

 

 

 最後に読んで下さった皆さまへ

 『女性の背後からう〇こ投げる』事件は日本で本当にあった事件らしいですよ!

 P.S.

  すごく前に書いたものなので事件が古くてすいません。

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