卒業

高校最後のテストが終わったと思えば、直ぐに自由登校期間になるよね。

週明け最後の2日間。

と言うものの、もう授業は無く片付け。ロッカー整理、シール剥がし、荷物の持ち帰り。重い荷物、これが1番大変だったな。


高校3年間を振り返ってみると、まあ、楽しかった。

今まで勉強も部活も頑張ってきた。資格も取って、友達とも沢山遊んだし、悔いはない。

………ない筈。


何故急に、年末の話から卒業シーズンまで時期が飛んだのか。

結論から言うと、ゆうなは友達で終わる。

もうあの日以来、特に進歩は無い。

LINEも、今日はありがとうございましたのメッセージが最後だ。

僕が結局、気持ちが乗らなかったのもあるよ。


それに、ゆうなはただ単にカッコいい先輩止まりでいたかったらしい。所謂、推し。

なかなか会わないタイプで、誰も気付かなかった。


お前が全然乗らなかったから諦めたんだろ。悪い友達はそう言った。


んん、勝手に盛り上がったと思いきや、ピタッと終わった。こういう感じだったね。夢でも見てたかの様でさ。でも、良い経験だったと思う。

楽しかった。これに尽きる。

好きに成りきらなかったから、失恋のダメージみたいなのは、無かったよ。俺はクズなのか腰抜けなのか、よく分からない。


でも、ふと思う。

この今までの一件で僕は親しい友達が増えた。仲直りはしてないけれど、復縁が出来た。

そう、石崎。

あいつはあれから何度か色々誘ったらしいが、さやかからは返事は来なかったそう。昔は仲良かったっぽいけれど、彼はもう諦めたようだ。自動車の教習所に行って他の子を探してみるも、微妙、らしい。


石崎とは一緒に帰ることが多くなり、恋バナもする。クラスの可愛い子ランキング作ろとか言う。こいつは相変わらずガキだな。いや、工業の建築、女の子数名しか居ないからってのに。

後に車の話題が増えて、どんな車が良いかとか、教官への愚痴とか。

カラオケの機会も増え、僕はカラオケが大好きだから喜んで行く。


この前にも沖松合わせて3人で、一万円分の回転寿司食べまくる企画で、石崎は新しく気になってた女の子がいたと言った。

だがその子のLINEのアイコンに、彼氏らしき人物を見つけたという。


「ま、俺は別にそんな好きでもなかったし。」


と、強がる石崎。哀れだよ。


「いや、お前さ。全体LINEで夜中に連絡してきたじゃん。めちゃ悲しんでたやん。悲しいって事は、好きやん。」


と、沖松は言った。


「うるせーよ。」


石崎は、寿司でお腹いっぱいの沖松の腹を叩いた。


高校3年間の思い出の中で、今、高校最後が一番楽しいかもしれない。


何だかんだお世話になった沖松。

駄洒落を言っては周りを変な空気にする彼は健在だが、恋愛の方はこちらもダウン。


石崎から聞いたが、相手には彼氏が居るそう。それを沖松は何となく察してきているらしい。今の仲良しな関係を崩してしまうのではと、思いは伝えないらしい。

こいつも僕と同じ、面倒くさい奴だ。


またまた石崎の解説によると、沖松は固執するタイプ、独占欲が強いって事。誰とでも隔て無く話す彼女とは合わないかもしれない、との事。んー、分かる気がする。

 

皆んな、お疲れ。

終わったんだ。僕らは。

あのゲーセンの日、彼女はどう思ってたんだろなんて、考えてもしょうがない。


僕達は、女の子達に振り回され過ぎたのかもしれない。


「高校生活が終わるって頃に、何で恋愛が始まるんだよ。」


石崎は言った。

その通りだと思う。

まあ終わるのは早かったな。呆気なく、短い時間だった。え、もう話は終わり?と不満でしょ。これらは事実なんだ。




僕のクソみたいな話を聞いて、皆さんはどう思ったかな?

不快に思われたのなら、本当に申し訳ない。

今の僕は、目を見て普通に話す所までは回復しています。普通の人間になりたいので。

もし、僕みたいな苦しい事がある人が周りにいたら、そっとフォローしてあげて。

長々とお付き合い頂きありがとうございました。


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ねえ、僕の話聞いてくれる? 秋光 @aokichan

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