自分が子供をこの世に送り出しておきながら、それが上手くいかなかったからって、『私はこんなに可哀想な被害者なんです』とかっておかしくない?
自分が子供をこの世に送り出しておきながら、それが上手くいかなかったからって、
『私はこんなに可哀想な被害者なんです』
とかっておかしくない?
少なくとも私はおかしいと思うし、そんなこと言いたくもないんだよ。だとしたら、そうならないようにする必要があるじゃん。自分の子供を<攻撃者>にしないようにさ。
そんなことを延々考えつつ、<仕事>もしなくちゃね。
で、思い付いたのが、
『未来の超技術で作られて、完全に人間を超えた存在になったロボットが、異世界に<転移>する』の。
ロボットのままで。
『転生特典でチート能力を授かる』んじゃなくて、そもそも人間からすれば『チート能力を持った』ロボットがさ。
彼女は、戦闘用のアンドロイドで、人間の代わりに戦争してたんだけど、突然、まったくデータにない場所に放り出されて。
人間だったらそこで戸惑ったりするところだけど、彼女は機械だから、
『データをロストしたみたいですね』
って考えるんだよ。戦闘してたところから今現在までのデータが何かの原因で失われただけだって。
どうして、何をするために、自分がここにいるのかまったく分からないけど、もう人間を完全に超えた存在になってた彼女は完全自律機械で、すべて自分で考えて判断できるんだよね。
だから取り敢えず自分の置かれてる状況の把握に努めると。
その中で、巨大なトカゲのような怪物に女の子が襲われる現場に遭遇して、怪物を倒して女の子を助けるんだ。
突然現れた、体一つで怪物を圧倒した彼女に女の子は唖然とするんだけど、彼女は、
「このような動物がいる惑星に人類が移住したという記録はないはずですが……」
と、あくまで自分がどこかの殖民惑星に派遣されて何かの事情で取り残されたと考えるんだよね。
その後、女の子から、
「ここはルビアートだよ」
と教えられるんだけど、
「ルビアート? 私のデータにはない惑星ですね」
って感じで、どこまでも自分のデータが欠落しているだけだと考えるの。
そして彼女は、取り敢えず街にでもいけば何らかの情報が得られ、軍などの施設があれば復帰も可能だと考えるんだけど、彼女はあくまで異世界に転移しててその世界は地球の中世頃の文明だから、当然、彼女が思っているような施設なんかなくて。
さすがにここまでくると彼女も自分がかなり特異な状況に陥ってることを認めつつも、だからと言って人間みたいにうろたえなくて。
しかもこの世界は、<エンディガ>と呼ばれる<魔物>との戦争状態にあって、彼女は済し崩し的に人間の味方をすることになるんだ。
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