私はね、

『嫌なことがあってもひたすら耐えることができる』

タイプの人間じゃないんだ。そういう部分は、両親や兄と同じ。

ただ、両親や兄は、自分に掛かったストレスを転嫁するために他人を攻撃しまくるけど、私はその手法は用いないというだけ。

基本的には、嫌なことからは逃げる。逃げられるなら逃げる。逃げられないことなら、どう対処すればいいのかを別途考える。

それだけの話だよ。

『こんなに辛いことに我慢して耐えてる私って立派でしょ？』

とか言いたくもない。

＜寝てない自慢＞とか、＜長時間労働自慢＞とか、典型的な、『こんなに辛いことに我慢して耐えてる私って立派でしょ？』って話じゃないの？

私はそういうの、立派でもなければ美しくもないと思う。

私もヘロヘロになるまで仕事頑張ったりすることもあるけど、それはあくまで、自分がやりたい、やらなきゃ、って思えるからそうしてるだけで、別に自慢できることでもないと思ってる。

まあでも、気心の知れた相手と他愛ないことでおしゃべりするだけなら、いくらでも＜寝てない自慢＞とか＜長時間労働自慢＞とかでもすればいいと思うよ。相手が嫌がらなければだけど。

とにかく、私は自分にストレス耐性なんかあると思わないよ。てか、スルースキルには多少の覚えもあるけど、基本的に嫌なことからは逃げるようにしてるからね。ストレスが掛からないように努力とか工夫とかしてるだけで、耐性はたぶんない。

しかもさ、私は、学校でも、制服を着崩すとか、そういうのにはまったく興味がなくてさ。標準服をそのまま着てたんだよね。

当時の写真とか見たらそれこそ激しくイモいダサ女だったけど、男子からどういう目で見られるかなんてのも欠片も興味なかったから、自分がイモでもダサくても平気だった。

でも、オシャレしたい子とかには、ストレスだっただろうね。

ちなみに、生徒手帳に校則が書かれてたはずだけど、読んだ覚えなんかほとんどない。一行二行、チラッと見ただけかな。

『本校生徒として恥ずかしくない、節度ある振る舞いを心掛けましょう』

とか書かれてた覚えはある。

＜本校生徒として恥ずかしくない、節度ある振る舞い＞ってのがそもそも何なのかよく分かんなかったけど、まあ要するに、

『学校に迷惑を掛けるな』

って言いたかったんだろうね。

私としては別にそんなつもりもなかったから、あんまり突飛なことはしないようにしてただけだった。だからまあ、学校としては扱いやすい方の生徒だったんじゃないかな。

そうやって、

＜学校にとって都合のいい生徒＞

を演じてたことは、私にとっては別に苦痛でもなかった。だから、

＜ストレスを掛ける役＞

には立ってなかったよね。校則なんて。

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