土佐日記
あの人、行かはんねん!
『土佐日記』 紀貫之 平安中期
え〜、アタシ、一応、女やねん。いや、ほんまは男やねんけど、オンナやねん。
え?ほんまどっちや?!って、ま、ま、どっちでもええやん?このご時世な?
ほいでな、オトコの間で流行ってる日記、アタシも書こ、思てん。ひらがなで。
なんでやねんって、いや、ほんまな、ちょっこっと書いときたいこと、あってん。
12月21日の夜の8時、いうたら、むっちゃ暗ない?こんな夜遅うに、あの人、出発しはんねん。
え?なんでやろ?って感じやん?
え?誰がって、それは言われへん。
言われへんわぁ!アタシには!
でな、そのヒト、単身赴任で、こっちへ来てはっててん。
それが帰らはんねん……
で、アタシらの思い出の社宅を出はってなぁ、港に行かはってん。
もう、あの人の見送りに、えっらいたくさん人来てはって……
いやや、離れたない!
あぁん!寂しいわぁ!
ゆうて、ここんとこ、しっぽり仲良うしてもろてた人たちと、アんなコトとか、コんなコトとかなぁ、最後にシて。
もう、大騒ぎしてるうちに、こんなに遅なってしもてん。
『土佐日記』 紀貫之 平安中期
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
それの年のしはすの二十日あまり一日の、戌の時に門出す。そのよしいさゝかものにかきつく。
ある人縣の四年五年はてゝ例のことゞも皆しをへて、解由など取りて住むたちより出でゝ船に乘るべき所へわたる。
かれこれ知る知らぬおくりす。
年ごろよく具しつる人々なむわかれ難く思ひてその日頻にとかくしつゝのゝしるうちに夜更けぬ。
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