蜻蛉日記

結構アタシって、セレブやねん

『蜻蛉日記』 藤原道綱母 平安中期


 最近な、なんや知らんけど、むっちゃアレやねん。


うちな、ま、ゆうて、普通やねんな。

いっや!ほんま、普通やねん。

ほんま、ほんま!


でな

(なんやなぁ?こうやって、歳とっていくねんな)

思うたら、なんやごっつ、侘しい気持ちになってん。


で、こないだな、古い本とかパラパラ読んでてん。ほんなら、何?なんや知らんけど、ほんま、上の方の生活とかな、適当なこと書いてんのに、むっちゃウケてるし。

(うっわ!ないわぁ!)

思うてん。


ほな、どない?うちの話とか、そこそこええことない?いいや、ほんましょーむないねんけど。

せやけど、ゆうて、ほら、な?アレやし。


「超最上級セレブのリアルな結婚生活ってどんなやろ?」

ってな、興味ある人多いやん?

そんな時、

「これ、読んだらええで?」

とかな。


いっや、ちゃうねん!

うち、ほんま普通やねんけど。

ほんま、ほんま!

ちょっこっとだけ、人より、ええ暮らしさせてもろたことあるやんか?

いっや!ほんま、ちょっぴしやけどな。


まぁ、昔のことやから、おうてないとことかあるかも知れへんけども、ま、そこは愛嬌や思うて、堪忍やで。



『蜻蛉日記』 藤原道綱母 平安中期


かくありし時過すぎて、世中に、いとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経ふる人ありけり。


容貌とても、人にも似ず、心魂も、あるにもあらで、かうものの要にもあらであるも、ことわりと、思ひつゝ、たゞ臥ふし起き明かし暮すまゝに、世の中に多かる古物語の端などを見れば、世に多かるそらごとだにあり、人にもあらぬ身の上まで日記して、めづらしきさまにもありなむ、天下の人の、品高きやと、問はむ例にもせよかし、と、おぼゆるも、過ぎにし年月ごろの事もおぼつかなかりければ、さてもありぬべきことなむ、多かりける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る