第23話 不幸は時々だと思うことにしよう
「気にすることはないよ。サービス期間中で安かったし、ポイントを複数、しかもボーナスでゲットしてるから。」
かなりランクの高いホテルのブッフエで、デザートを食べながら、目菜の叔父が、自分達も支払いたいと言う目菜と田蛇を前にして笑って言った。
2人は、就職に失敗して、この2年間、アルバイトやパートなどを幾つもやって、暮らしていた。親から独立して、2人で暮らしている。単位を余裕で確保し、ほとんど優の2人が、就職を失敗したのには理由があった。度々、事件、裁判事に関わったからだった。被害者ではあるが、悪い風評が出ているからだ、というのが理由らしかった。目菜を助けたいという女達の言動そのものが2人を貶めたりしてしまっていた。レイプした犯人を愛してしまっている→邪魔しているストーカー男の田蛇→田蛇に殺意を感じている目菜というストーリーなど、色々なバージョンが拡がっているが、全て2人にマイナスに働いている。
「こんなことなら、人助けはあなただって、公表してれば良かったかも。」
「よしてくれよ。」
田蛇が困ったようにいった。一年に一回はあり、他人が、例のごとく名乗り出ても、そのままにしていた。
何とか今は上手くやっている。結婚式は資金を貯めてから、ささやかにしたいと思っていた。そんな2人を家族、親戚が色々間接的支援してくれている。今日も、支援もその一つだった。
そのうち、言い出し辛いように、2人の関係が進んでいるかと尋ねた。
「ええ、たしかに。」
ある日、寝ているところを起こされた。目菜の目に、田蛇の上に跨がって、腰を動かしている女が見えた。
「見てくれ!お前がもう1人いる!」
との叫び声がなくとも、それが自分と瓜二つの女だと分かった。その後は、そのまま、自分自身と3Pになった。朝、目が醒めると、乱れた状態の2人がいたが、もう一人の目菜はいなかった。それからは…。
「まあ、そこそこに。」
2人は、真っ赤になって、おずおずと叔父を見た。
「そういうこともあるさ。取りあえず、今はリア充ということでいいだろう。」
彼は、笑って言った。
リア充時々不幸 確門潜竜 @anjyutiti
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