第18話
魔の王は復活させた。
力をさずけた。
魔を人から守るための力を。
身を敵から護るための力を。
人は滅ぼさなかった。
今回の件に関わったもの達のみ、抹殺した。
魔の世界と人の世界をふたつに分けた。
それまで、神の世界と共生界と呼ばれていた世界はこの日を境に、神界、魔界、人界と呼ばれるようになった。
それぞれの代表は、俺が作った水晶により選ぶようにそれぞれの種族の魂のさらに奥底にある起源へと強固に結びつけた。
時々、それに気づき解くものもいたが、悪用するもののみ暗殺した。
ようやく、世界は安定した。
小さな争いはあれど、血で血を洗うような戦争は起きないように、起こさないようになった。
それから、幾星霜かの時が過ぎ、俺の存在はもはや、神人魔にとって神話のみとなった。
これは俺が野川 海鈴として転生するまでの物語だ。
奇跡のない世界で嗤う物 ノーリ @lv999nmrbt
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