第17話

怪物を舐めるなよっ!人間どもぉ!


この日、戦場に一つの強大な声が鳴り響いた。


初めは、ただの間違い。


しかし、それをやり返しているうちに死人が出る。


そうなればもう、引き返すことはできない。


何事も引き返すことは出来ない。


時と言うものは、前にしか進まない。


後ろには戻らず、決して止まらない。


どれだけ後悔しても、嘆いても、、、


そうならないように務めていた。


事件が起こりそうなら、すぐに駆けつけて、和解させるように尽力していた。


努力し、工夫し、頑張った。


それを長い間、永い間繰り返していた。


そうしたら、現れた。


利用するものが、


それに気づいたから、どちらにも加担しないようにした。


招待された。


今までの非礼を詫びると。


信じた。


いや、信じたかったから、都合のいいその夢に、儚い希望に縋り、ついて行った。


人の王との談笑があった。


相手は謝っていた。


ホッとした。


これで争いも少なくなると。


相手が嘘をついているという現実を嘘だと無理やり理屈づけて。


その結果、人は魔に攻め込んでいた。


俺を足止めするために呼んでいたのだ。


俺が気づいた時には、戦争は始まっていた。


俺は急いだ。


被害が出ないように、


まだ、双方どちらも手を出してなかった。


俺の中会のもと、会談が行われた。


俺も安心していた。


ここまですれば、もうしないだろうと。


そこまで愚かではないだろうと。


思えば、俺は甘かった。


もっと、警戒すれば良かった。


裏切られた。ということをもっと深刻に考えていなければ、ならなかった。人は賢いのだと信じていた。賢い以上に愚かで下劣で醜く欲深いと言うことも忘れて。


起こってしまった。


俺が丁度、すぐ近くの街で起こった争いを治めているうちに、魔の王が殺された。


魔は俺の事を信頼してくれていた。


俺の事を神と崇め、友と慕い、家族と呼んでくれていた。


街の争いも、俺をおびき寄せるためのものだった。



















「、、、、、、、なァ、もウ、怒ってもいいよナ?俺は頑張った。アイツの願いがあったから、耐えた。どちらにも加担しないようにした。けど、もうむりだ。人は裏切る。魔は裏切らなかった。どちらにも同じようにした。アイツには申し訳がない。けど、けど、こんなこんな奴らを今まで守っていたなんて、、、、、、、確かに、全ての人がこいつらみたいではないだろう。だが、俺には同じようにしか見えない。俺のことは別にいい。けどな、アイツの思いを想いを踏みにじり、魔の努力を、裏切った人共<ゴミクズ共>は許せない許せないゆるせないゆるせないユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイッ!!!」


この日、魔にとっては王の奇跡の復活、我らが慕いし神の怒りという神話が残り。


人にとっては、«»破滅ノ始マリ«»という神話が遺された。





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