森厳、好羽を想う
一方同じ頃、
「ねえ、金魚すくいしよ!」
「うん!」
いつの間にやらこの場で知り合ったばかりの同じ年頃の少女と、それこそずっと友達だったかのように仲良くなり、一緒に屋台をめぐっていた。
そんな様子を、結愛の両親だけでなく、森厳やレティシアが目を細めて見ている。自分達の直接の子孫はいないものの、これまで多くの子や孫のような人間達と接してきて、その成長を見守ってもきた。この
その時、どーん!という音と共に湖の上に花火が上がった。
「わあ!!」
「きれい!!」
結愛と親しくなった少女と結愛が、満面の笑顔でそれを見上げる。鎮魂と御招霊を兼ねたものだった。
次々と打ち上がる花火を見つめつつ、森厳は想う。
『
彼の細君であるレティシアとも共に
「最後にニーナの子を迎えられたのは、大往生でしたね……」
穏やかに話しかけるレティシアに、森厳も、
「ああ……まさしくあいつらしい最後だよ。あいつが名をもらった祖先も同じような最後を迎えたそうだ……満足いくものだったと思いたいな……」
と応え、レティシアは、
「そうですね……」
静かに微笑む。
死は、悲しいものだ。つらいものだ。苦しいものだ。恐ろしいものだ。だが、それを少しでも意味のあるものにすることはできるし、
その
その<間>を、
「もしかしたら
と森厳が評し、
「確かに、
レティシアが微笑んだのだった。
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