秀青、花火に感心する
かつてロボットを、特にメイトギアを毛嫌いしていた
だから、いつかアリシア2234-LMNと別れる時が来ることも覚悟はできている。そしてアリシア2234-LMNも、その時が来れば秀青の幸福を願い身を引くだけである。そういう関係性がしっかりと成立していた。
それを改めて確認した時、背後で花火が上がり、振り向いた秀青が、
「へえ! 思った以上に本格的だね」
感心して声を上げた。彼の言うとおり、
『
というのが理由だそうだ。それでも、イベントで花火の依頼があればわざわざ出向いていって花火を上げるそうだが。そして、その職人の花火を求めている者もいるのだそうだ。
実際、
そう言われれば
どちらを好むかは人それぞれなので、『どちらが正解か?』という問題ではない。
秀青が見ていた時も、脈絡なく途切れて、
『ん? 終わりかな……?』
と思ったら連続して花火が上がったりして、打ち上げのタイミングにやや不備があったことが窺えた。けれど、それ自体が<味>とも言える。
この<不規則さ>が逆に、
『人間味を感じさせる』
のだろう。
秀青も、港から少し坂を上ったところから、アリシア2234-LMNと共に、見入っていたのだった。
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