魔鱗2341-DSE(実験機)、パフォーマンスを見せ付ける
「では、御社のプランをお聞かせ願えますか?」
すると千堂は躊躇うことなくモニターの脇に立ち、ネルディの許可をもらって自身が手にした端末をリンクさせた。
同時に、大型モニターに
「これが、先般、我が社が開発した<ダンススイミング用メイトギア>
千堂の説明に合わせ画像が次々と切り替わり、
「<ダンススイミング用メイトギア>として開発されたものですので、厳密には<水中作業用>とは異なるものですが、先ほどからの説明と考え合わせる限り、今回のオペレーションには最適な機能を有していると改めて判断します」
すると今度は、大水槽で、水中ダンスショー<ポセイドン>の一シーンを再現する
<設定>としては、
『ポセイドンからの熱心な求愛にほだされたメデューサが、彼への返礼として自らの気持ちをダンスにして表した』
という形なのだが、稽古中に担当のダンサーが何度も失神、安全上の観点から実現が危ぶまれたものだという。メイトギア課に
手足の指の一本一本にまで神経の行き届いた、水中でのウイッグの動きすら計算に入れた、息をも吐かせぬその<演技>に、ブリーフィングルームにいた全員の目が釘付けになる。
軍人であるネルディさえ心奪われていたようだ。
人間の成人女性とほぼ同じプロポーション。かつ、水圧や水の抵抗をものともせず激しいダンスを実現する強靭な四肢。
『なるほどこれは、今回のミッションに最適だな』
それがその場にいた全員の印象だっただろう。
こうして
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます