5月15日 憂鬱の朝
目覚ましを二度消す。そして布団でぼーっと過ごす。
私は起きたくなかった。現実というつらいものと目を合わせるのが嫌で、ならば暖かい布団でずっと過ごしていたいと、母の呼びかける声も無視して。
午前の授業は今日はない。布団の中でなるべく長く過ごしたかった。昨日の苦しい気持ちは幾分か減っていて、幸せを少し感じられた。布団の中でだけ幸せを感じることができた。
現実から目を背けられる瞬間が長いほうが嬉しいじゃないか。
だけど分かっていた。
布団を出ようが出ないでいようが、新しい朝が来る。現実は待ってくれない。課題の提出期限が、伸びることもない。
朝々 坂町 小竹 @kotake_s
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます