花言葉
萠月
アザミ
5月の穏やかな風に吹かれて散歩をしていたらふとアザミの花が目に付いた。その瞬間ある記憶がふと脳裏にちらついた。
梅雨のどんよりとした雰囲気の教室。
「触れないで。」
と自分へと向けられた手にそう言い放つ攻撃的な自分の声。
その声の振動が窓辺に飾られたアザミの活けられたコップの水を少し揺らす。
その手を辿った先に居たのはかつての好きな人だった。
相手の驚き怯えるような、何故、どうして、と言わんばかりに目を見開いていた。
何故この状況になったのかは思い出せないし、この場面だけ切り取ったように思い出しているのかは分からない。
ただ思い出せるのはあの時の自分は相手に素直になれなかったのだという事だけだった。
あの時の自分は自分の想いが相手に見透かされそうで触れて欲しくなかったのだろうか。などとそんな風に考えてみてもあの時の感情が分かるのはあの時の私だけ。
あの時間は私にとってきっと特別だったのだ。
~アザミの花言葉~
「触れないで」「素直になれない恋」
花言葉 萠月 @hozukichan_
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