第2話 古城と転生者と転生者
「おなか減ったぁ・・・」
私の名前は柊明日華。実は覚えてることはそれだけなの。目が覚めると知らない森にいてよくわからない声が聞こえるようになってしまっていた。それだけでパニックなのにおまけに見たこともない動物に追いかけ回されてくたくただよ・・・
「何処なのよここはぁ・・・」
ぶつぶつ呟きながら歩いていると急に道が開けた。
「大っきなお城・・・」
目の前に現れたのは西洋風に建てられた古城。少しロマンを感じさせてくるあたり私好みっぽい。だけどホラー映画とかならドラキュラが出てきて・・・ホラー映画って何だろう?
頭を指でぐりぐりしてみるが思い当たらない
「ま、いっかな」
私はその古城の入り口を探すことにした。
〈七八〉
「随分と古い城だな。こんなの本や写真でしか見たことなかったわ」
森をさまよっていると開けた場所を発見したと思えばファンタジーあふれる西洋城が姿を現した。
「でけーー」
それ以外あまりリアクションとかは思いつかなかった。まさか異世界に来てモンスターより先にラスボス住んでますよ感があふれる城にたどり着くとは思っておいなかった。
「ここは後だな。レベル上げしなきゃ」
ヘルパー
【はいお呼びでしょうかマスター?】
なるほど・・・自分のことをマスターと呼んでくるのか・・・
自分の能力を知りたいんだが
【ステータスオープンですね?こちらになります】
いきなり視界の中にいろいろそれっぽいことが書いてある図が表示された。
〈ヤマブキ・ナナハチ〉{封印}
【HP:800】
【MP:250】
【スキル】
・封印 ・解除
「なんだこれ?封印って・・・俺封印されてんの?!」
まさかの死亡確定な気がして成らない。やばいよな
ひとまず一番大事なことは衣食住だ。まずは町に行って役職について金を稼げれば良いんだが町が何処にあるのか全くわからん。
「ヘルパー」
【はい、近くの街で検索・・・30キロ先に{フェルミネ王国}があります。】
徒歩じゃ無理な距離だ。出来ないこともないが魔獣に喰い殺されて終わる。
今目の前にある城が宿屋だったらうれしいのだが明らかにダンジョンなんだよな・・・
「あれ、もしかして人ですか?」
「?」
目の前に現れたのはまた学生服を着たあきらかに自分と同じ転生者だ。
「あ!その服?!」「おま?!まさか転生者!」
「転生・・・者?」
え?
「知らなかったんだ・・・まぁ無理もないか。俺も奇跡的に思い出せたみたいなもんだし」
「奇跡的?」
「まぁ、話すと長くなるから後で。つか不安だったんだよな・・・全く知らないところで一人野放しにされてスキル封印されてるし。」
「スキル?」
「・・・・・・」
まだ、全くの無知って事か。
「転生者なら持ってるはずだぞ【ヘルパー】ってスキル」
ってか名前も聞かずに話し進めちゃってた。つい感動してしまった・・・
「俺の名前は・・・」「喋った?!」
「あ、ごめん。ヘルパーが喋ってびっくりしちゃって、何か言った?」
まぁ当然の反応だろう、自己紹介は改めて
「俺の名前はヤマブキ・ナナハチだ。」
「私はヒイラギ・アスカ!色々教えてもらっちゃってごめんね?」
結構良い子そうだな。よく見ると顔も可愛いし身長と制服から見て同じくらいの年齢だろう。出るところは・・・て冷静に何観察してんだ?!
「いや、じゃぁアスカ」
「えっ?///」
「え?」
何か地雷でも踏んだか?!
「いや、うん。ごめん・・・男の子に下の名前呼び捨てされたの初めてだったから・・・///」
そっか、美沙の場合は普通じゃなかったのか。も、もしかして軽くセクハラだった?!
「いや、悪い!呼び捨てとかキモいよな。」
すると目の前の女の子は
「ううん!そんなことないよ。こっちはこっちで新鮮だよ!」
「あ、あぁ!そっかそっか!ハハハ」
「アハハハ」
「・・・・・・」「・・・・・・」
何の会話だ・・・
「でっ!でっ!だよナナハチ君!ナナハチ君は何言おうとしてたの?」
アスカが振ってくれた。本当に気が利くな。
「おう。俺達まだ多分弱いだろ?だからしばらく一緒にどうだ?って所だ。」
「全然いいよ!私なんてまだMP127000だし・・・だけどナナハチ君みたいにスキル封印はされてないけど・・・」
「普通にチートだと思うんだけど・・・俺のMP250」
「えっ、・・・・・・」
この子完全に思考停止しちゃってるよ
「またまた」
「いや、ガチだぞ」
「・・・・・・」「・・・・・・」
というか何故同じ転生者で人間なのに魔力の差が企画なんだよ・・・神様意地悪かよ。
「大丈夫!私がナナハチ君守ったげるから!」
「あ、ありがどぉぉぉ!!」
第二の人生いきなり初対面の女の子にガチ恋しそうなシュチュエーションだった・・・
「ナナハチ君もここに来たって事は城に入るんだよね?」
「この城?今にもボス出てきそうなんだけど・・・」
「でもここ以外寝れる場所もないからとりあえず入ってみようよ!」
うん、ここはしっかり断って・・・
「俺はちょっと・・・」
「はいはい良いから」
肩をがっしりと掴まれて後ろから俺の抵抗そっちのけで押してくるアスカ・・・なんて恐ろしい子?!
「スキルも試さなきゃね。はいゴーゴー!」「ちょちょ!おいぃぃぃぃぃ!!」
身内にダンジョンに引きずり込まれるという新しいパターン
後はアスカに任せるしかない。女の子便りとかなんて情けないリベンジマッチなんだろう。それでも寝床は欲しい二人は城の中に入っていった。
〈続〉
転生愚か者の異世界リベンジ とら @taitaro
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